紙面だけならまだしも朝日新聞デジタルという半永久的に残るウェブ版にも掲載されたので、朝日新聞デジタルの「お問い合わせ」から苦情を送ると、3週間経ってこんな返事が来た。
〈書評は、評者である唐沢俊一さんがご自身の見解に基づいて書かれたものです。論評として問題のある表現ではないと判断して、掲載いたしました。ご理解を賜れば幸いです〉
問題のあるなしではなく、事実ではないと指摘しているのに、木で鼻をくくったような対応である。その後、書評の削除を求めて朝日に内容証明を送ったが、いまだに無視されている。取材先からの抗議で簡単に訂正を出すなら、私の記事もすぐ削除してほしいものだ。
【PROFILE】こやの・あつし/1962年生まれ。作家、比較文学者、学術博士(東京大学)。著書に『芥川賞の偏差値』(二見書房)など。『聖母のいない国』(河出文庫)でサントリー学芸賞。
※SAPIO2017年6月号