なお山本氏は2012年11月に同社代表を辞任。吉岡氏がブルー社に“働き口”を得たのが山本氏の退任前か後か、吉岡氏側の説明は曖昧だが、いずれにしても、「一度しか会ったことがない」という人物への取り計らいとしてはあまりに不自然で、山本氏が十分な説明をしているとはとてもいえない。

 だが、山本事務所は本誌の取材に「吉岡氏の(名刺の)件は承知していない。吉岡氏と交流もない」と回答するのみだった。

 安倍首相はこの“身内優遇”の疑惑を不問に付し、山本氏は特区担当の大臣に止まった。獣医学部新設の特区認定が決まったのは、そのわずか2か月後のことだ。「一点の曇りもない」という言葉は空しく響く。

※週刊ポスト2017年7月14日号

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