「K半島事態対処計画」は、戦火を逃れ、避難する目的の一般難民について、戦後世界軍事資料をもとに「(人口に対する発生割合を)紛争開始直後に約一%、紛争収拾までに約一〇%に達する」と見込み、紛争発生直後に発生する難民を韓国で約四十五万人、また北朝鮮で約二十四万人と試算、海と陸地から周辺国に流出するとしている。
◆武装難民が紛れ込む
このうち日本には韓国から約二十二万人、北朝鮮からは約五万人の合計約二十七万人が押し寄せ、九州北部や山陰地方沿岸部から上陸すると見込んでいる。
一義的には警察が対処するものの、警察で対応可能なのは難民約三万五千人にすぎず、これを超える大量難民については自衛隊による対処を想定する。
九州、沖縄を担当する陸上自衛隊西部方面隊(総監部・熊本市)をモデルに試算すると、隊員一人につき、難民十人を管理する前提で管理可能な難民は約一万人にとどまり、残る四方面隊からの増援が必要になると結論づけている。
陸上自衛隊挙げての総力戦にならざるを得ないというのだ。一例として第四師団(福岡県春日市)が三千人の難民を任された場合が示されている。駐屯地に隣接した訓練場に仮設の難民収容所をつくり、六人用テントを三百張建て、簡易トイレを三十個設置する。隊員六百人を配置し、第十六普通科連隊長(一等陸佐)が指揮をとるとしている。