でも、やっぱり世間の人、特に貧困だと騒ぐ人たちは、札束がカネだと勘違いしている。言ってみれば、「お札教」が世界で最も影響力のある宗教なのかもしれない。
お札信奉者たちは、マインドコントロールにかかったかのようにカネ、カネと唱え続けている。信じていて幸せだというなら仕方ないけど、お札教の影響力はあまりにも強い。アホみたいな詐欺的商売が、何の苦もなく成立している。
ただし、何をもって本当の信用なのか詐欺なのか、はっきりした境目が存在しないから厄介だ。本当は詐欺または詐欺的な行為なのに、信用のプレゼンがうまいだけで、社会的な地位でも経済的にも大成功している輩は大勢いる。逆に、本物の信用に足るビジネスをしているのに、周りが「あれはウソだ、詐欺だ」と言い出すと、途端に詐欺的商売としか見られなくなってしまう。
詐欺師たちが人を騙す信用の構造と、人々がカネを盲信する構造は、皮肉なことによく似ている。どちらも実体のないものが、ありがたがられている。「価値がある」「保証されている」と世間の誰もが言うから、信用しているにすぎない。信用の本質の部分は、必ずしも問われていないのだ。
※堀江貴文・著/『バカは最強の法則~まんがでわかる「ウシジマくん×ホリエモン」負けない働き方~』より