国際情報

先進都市・中国深センを彷徨う若き廃人と貧民街の実態

ネットカフェでオンラインゲームに興じる若者たち

 中国・深センは、中国の経済成長の象徴のような都市である。しかし、その底辺をみれば、現実に夢も希望もない、仮想世界に逃げる若者たちが社会問題化しつつある。ノンフィクションライター・安田峰俊氏による現地レポート。

 * * *
「わたし、いちど香港に行ってみたい」

 広東省深セン市郊外の龍華新区にあるマッサージ店。きわどい服装で私の足ツボを押す女の子がそうつぶやいた。雲南省の農村出身で、中学卒業からの出稼ぎ生活は9年目になるという。

 一昔前と違い、いまや中国人の香港通行証は誰でも取れる。だが、この街の住民の多くは、わずか10km先の香港に決して行けない。

「通行証は、数年に一度しか帰らない地元(戸籍所在地)の役所でしか申請できない。つまり無理よね」

 そう話す彼女はやがて、私の鼠径部に手を伸ばした。総額198元(約3300円)で秘密のサービスがあるというのだ。だが、詳しい身の上話を聞いた以上、やや気が引けるような……。

──バンッ!!

 突然、個室のドアが開き、顔を出した男性店員が「逃げろ!」と叫んだ。ガサ入れだ。彼女は血相を変えて部屋から出ていったが、私はマッサージパンツを着替える途中で公安(警官)に踏み込まれ、情けない姿を撮影されてしまった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

あごひげを生やしワイルドな姿の大野智
《近況スクープ》大野智、「両肩にタトゥー」の衝撃姿 嵐再始動への気運高まるなか、示した“アーティストの魂” 
女性セブン
OZworldの登場に若者が殺到した
《厳戒態勢の渋谷ハロウィン》「マジで両方揉まれました」と被害打ち明ける女性…「有名ラッパー」登場で一触即発の乱闘騒ぎも
NEWSポストセブン
天海のそばにはいつも家族の存在があった
《お兄様の妹に生まれてよかった》天海祐希、2才年上の最愛の兄との別れ 下町らしいチャキチャキした話し方やしぐさは「兄の影響なの」
女性セブン
川村
【北海道・男子大学生死亡】脚には「龍のタトゥーシール」…逮捕された川村葉音容疑者(20)の同級生が明かす「暴力的側面」と「恋愛への執着心」
NEWSポストセブン
満を持してアメリカへ(写真/共同通信社)
アメリカ進出のゆりやんレトリィバァ「渡辺直美超えの存在」へ 流暢な英語でボケ倒し、すでに「アメリカナイズされた笑い」への対応万全
週刊ポスト
ライブペインティングでは模様を切り抜いた型紙にスプレーを拭きかけられた佳子さま(2024年10月26日、佐賀県基山町。撮影/JMPA)
佳子さま、今年2回目の佐賀訪問でも弾けた“笑顔の交流” スプレーでのライブペインティングでは「わぁきれい!うまくできました!」 
女性セブン
傷害致死容疑などで逮捕された八木原亜麻容疑者(20)、川村葉音容疑者(20)、(右はインスタグラムより)
【北海道男子大学生死亡】逮捕された交際相手の八木原亜麻容疑者(20)が高校時代に起こしていたトラブル「友達の机を何かで『死ね』って削って…」 被害男性は中学時代の部活先輩
NEWSポストセブン
木曽路が“出禁”処分に(本人のXより)
《胸丸出しショット投稿で出禁処分》「許されることのない不適切な行為」しゃぶしゃぶチェーン店『木曽路』が投稿女性に「来店禁止通告」していた
NEWSポストセブン
東京・渋谷区にある超名門・慶應義塾幼稚舎
《独占スクープ》慶應幼稚舎に激震!現役児童の父が告白「現役教員らが絡んだ金とコネの入学ルート」、“お受験のフィクサー”に2000万円 
女性セブン
佳子さまの耳元で光る藍色のイヤリング
佳子さまが着用した2640円のイヤリングが驚愕の売れ行き「通常の50倍は売れています」 地方公務で地元の名産品を身につける心遣い
週刊ポスト
傷害致死容疑などで逮捕された八木原亜麻容疑者(20)、川村葉音容疑者(20)(インスタグラムより)
【北海道男子大学生死亡】 「不思議ちゃん」と「高校デビュー」傷害致死事件を首謀した2人の女子大生容疑者はアルバイト先が同じ 仲良く踊る動画もSNS投稿
NEWSポストセブン
いわゆる“ガチ恋”だったという千明博行容疑者(写真/時事通信フォト)
《18才ガールズバー店員刺殺》被害者父の悲しみ「娘の写真を一枚も持ってない。いま思い出せるのは最期の顔だけ…」 49才容疑者の同級生は「昔からちょっと危うい感じ」
女性セブン