投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が3月19日~3月23日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は伸び悩みか。米連邦準備理事会(FRB)は3月20-21日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利を1.25~1.50%から1.50~1.75%に引き上げる公算。3月の追加利上げは確実視されており、市場参加者の関心は利上げペースに向けられている。FOMC予測で市場コンセンサスである3回以上の見通しが示された場合、長期金利はやや上昇し、主要通貨に対するドル買いが優勢となりそうだ。ただし、利上げペースの加速を嫌って米国株が大幅安となった場合、ドルの上値は重くなる可能性がある。
一方、トランプ政権は中国などをターゲットに保護主義的な政策を強行する方針とみられる。今年11月の中間選挙に向け各州での予備選が予定されるなか、トランプ政権はますます保護主義的な通商スタンスを強める見通しで、貿易戦争への警戒感は残されており、ドルを積極的に買いづらい状態は続く可能性がある。
また、欧州中央銀行(ECB)の金融当局者は目先の引き締めに慎重な姿勢を示しているほか、英国が情報員殺人未遂事件をきっかけにロシアとの関係が悪化しており、ユーロやポンドは買いづらい地合いとなっている。このため、消去法的に円に買いが入る可能性もあろう。ドル・円に関しては、下落基調となっても心理的に重要な節目である105円は維持されるとの見方から、下値の堅い展開が予想される。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(3月20-21日)
米FRBは日本時間3月22日午前3時に声明を発表し、その後パウエルFRB議長が記者会見する。政策金利は1.50%から1.75%に引き上げられる公算。すでに織り込み済みだが、引き締め加速に思惑が広がればドル買いが続きそうだ。
【米・2月耐久財受注】(23日発表予定)
23日発表の米2月耐久財受注は前月比+1.6%と、1月実績の-3.6%を上回る見通し。輸送用機器を除く数字は同-0.3%から+0.5%に改善される見込み。2月実績が市場予想を上回った場合、1-3月期国内総生産(GDP)成長に寄与する可能性があり、ドル買い材料になるだろう。
・3月19日-23日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。