どうも「リベラル」と呼ばれる皆さんは、反安倍派かそうではないのかの二元論でしかものを考えていないような気がする。どんな考えの持ち主なのか、どんな理想を抱いているのかということは関係なく、「安倍首相が嫌いかどうか」だけが基準になっているのかな? まあ、これは一部の「保守派」の人にもいえることかもしれないけどね。
──つまり、単純に「安倍派」と「反安倍派」の対立構造になっているという。
高須:その傾向が強い。それに、自分と違う考え方を持つ人を無条件に攻撃する人も多い。そんなものリベラルでも保守でもない。単なるわがままであり、それこそがファシズムだよ。
本来いくつかの選択肢から、自分の中の正解を自由に選べる状態が「リベラル」であって、「反安倍かどうか」という固定された基準で振り分けられたものが「リベラル」なのではないはず。そして、最良の選択ができるように、正しい知識を身につける努力も怠ってはならないとも思う。さらに、知識を身につける努力を阻むことも許されない。それこそ「反安倍派」というイデオロギーありきで、都合が悪い情報を隠蔽し、都合がいい不確かな情報ばかりを声高に叫ぶ人なんかは、もっとも「リベラル」からかけ離れた人だよ。
僕がツイッターなんかで、誰かと激しくやり合うのは、大抵この部分。間違った認識や意図的に捻じ曲げられた情報を糾すために、厳しく意見をすることはあるけど、それは「自分と思想が違う」という理由で攻撃しているのではない。自由な思想を抱く権利を剥奪することなんて、誰にもできないんだからね。
とにかく「反安倍かどうか」で動くことがいちばん危険なこと。ちゃんと自分で正しい知識を得て、それをもとに正しい判断をしないといけない。それができる人こそがリベラルだよ。
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何かと「保守」と「リベラル」の対立構造で捉えられがちだが、真の「リベラル」はその構造の中にはないと説く高須院長。いま一度「リベラル」という言葉について、考え直す必要がありそうだ。
【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。
昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。著書に『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子氏との共著)、『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)、『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)、『行ったり来たり 僕の札束』(小学館)、『ダーリンは71歳・高須帝国より愛をこめて』(小学館)など。最新刊は『炎上上等』(扶桑社新書)、『かっちゃんねる Yes! 高須 降臨!』(悟空出版)。など