芸能

65周年の「劇団四季」 演劇だけでなく予約方法も改革した

「オペラ座の怪人」より(撮影:荒井健)

 1953年7月14日に浅利慶太や故・日下武史など、10人の演劇青年によって創立された劇団四季は今年、65周年を迎える。フランス革命の日に誕生した劇団らしく、大胆な革命で日本の演劇界に風穴を開けてきた。

 エポックとなったのは、創立30周年の1983年。東京・西新宿に、初演を迎えるミュージカル『キャッツ』専用の劇場を建設。猫目が怪しく光を放つ黒いテントは人々の度肝を抜いた。

「当時の興行界は劇場を1か月単位で借りるのが通例でしたが、『キャッツ』はスケールが大きくひと月では採算が見込めない。そこで浅利は専用シアターを作ってしまおうと発想した。都会のゴミ捨て場が舞台なので、街の騒音も芝居の効果音と考えれば良いのです」

 そう語るのは、1987年入社の劇団四季代表取締役社長の吉田智誉樹氏(以下、「」内の発言は吉田氏)。

 このテントから日本演劇史上初となるロングラン興行に挑戦し、日本初のコンピューターによるチケット販売システム(チケットぴあとの提携)を始動。1か月分のチケットは即日完売した。

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