しかし、日本歯科保存学会では、アマルガムは無機水銀なので、水俣病で問題になった有機水銀のような影響はないと説明する。

「大間違いだよ。論文にも書いているんだ。歯科業界には“分からない人”がいる。自分たちが治療で金属を使っているから、アレルギーのことが知られたくないんだろう」(中山医師)

 過去の治療で生まれたリスクにどう対処すればいいのか。長崎大学歯学部の久保至誠准教授によると、「痛み」「動揺」がある場合は、虫歯再発の可能性が高いので、歯科医に相談すべきだという。

 再発した虫歯はコンポジット・レジン修復をお勧めしたい。削る部分が小さくて済むのが特徴の治療だ。ただし、技術格差が大きく、治療に時間がかかる割に保険の設定費用があまりに安いため、やりたがらない歯医者もいる。

 金属アレルギーの診断を受けた患者は、奥歯の銀歯を、CAD/CAMという、レジンとセラミックのハイブリッド義歯に保険で交換が可能。費用は1歯あたり約1万円(※3割負担の場合)。金属アレルギーの不安を過度に煽って、高額なセラミックを勧める歯医者もいるので注意したい。

※週刊ポスト2018年6月8日号

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