「サンプル漁り」をしている複数の女の子、そして20代の女性に話を聞いたが、みな「違法ではない」ということを異口同音に主張する。しかし、考えてみれば、サンプル品だろうが試食品だろうが、経済活動を円滑に進めるために、もっと言えば社会を成り立たせるために人々が融通しあってきた部分である。ここに“タダ乗り”だけする人々ばかりになってしまっては、私たちの生活はあっという間に破綻する。
彼女たちのようにサンプル品だけを大量に入手する人ばかりになり、購入する人がわずかになったら、その製造元は商品の継続を断念せねばならない。そのとき、購入したこともないのに「イイ商品だったのに残念」とネットに惜しむコメントを書き込んだところで、一つの商品をとりまく経済を破壊したことは変わらない。
こうした理屈は「カネがない」「大人が買えばよい」といった、自称弱者の若い彼女たち、彼ら達の勝手な主張の前には、まったくもって響かない。“違法ではない”なら、モラル無視をしても恥じない子供たちの出現は、我々大人にも責任はあるのかもしれないが……。
フリマアプリ、確かに便利ではあるが、こうした若い子供たちを生み出しているという現実もあり、若い子にとってカネになることがすなわち正義、という風になっている側面は否めない。しがない中年オッサンな筆者のたわごとだが、なんとも物悲しく感じるのである。