何かと酒量が増える年末年始。呑兵衛には心弾む季節だが、気になるのは体への影響だ。酒は「百薬の長」と呼ばれるが、その付き合い方を間違えると、ときに「百害あって一利なし」になってしまう。
たとえばビールは「抗酸化作用が高く、ホップのアロマによるリラックス効果が得られたりと、健康維持に一役買っている」(慶和病院院長の大川章裕医師)とされる一方、糖質が多いため飲み過ぎは肥満に直結してしまう。
ワインには、動脈硬化を予防するポリフェノールが含まれる。日本酒には、心臓病、がん、認知症などの発症リスクを低下させるというデータがあるが、こちらもビールと同様に糖質過多をもたらすリスクがある。
一方、焼酎やウイスキーなど「蒸留酒」は、醸造した原料の酒を加熱し、不純物を取り除いたものだ。焼酎は血液をサラサラにし、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる血栓を溶かす作用があるとされ、ウイスキーのエラグ酸には糖尿病の合併症の進行を抑制する効果が認められている。
しかしどちらもきわめてアルコール度数が高く、飲み過ぎれば、それらのメリットなど吹き飛んでしまうほどの悪影響がある。
つまり、どの酒にもメリットとデメリットがある。飲み方次第で、体への影響はガラリと変わってしまうのだ。