たしかに低所得者層にしてみれば、燃焼費が安いディーゼル車が規制されるのは痛い話だよ。そこに抗議する人がいるのは当然なのかもしれないけど、それならば、環境保護を訴えている左翼の人々は、マクロンの政策が正しいということをしっかり伝えていかなければならないはず。左翼の人々が本当に正しいことをしたいのであれば、燃料税引き上げを受け入れたうえで、環境に優しい別の手段でもって低所得者層の生活を支えることを考えなければならないんだよ。
にもかかわらず、燃料税の引き上げに反対して、暴徒化するんだから、全く意味がわからない。そこには何の正義もないし、整合性のとれた思想もない。ただ、政府を破壊したいだけの人々だ。市民運動の矛盾が詰め込まれていると思うな。
──つまり、このデモは市民運動などではない、と。
高須:そう。日本でも、今回のフランスの暴動を見て、「市民が政治を変えた!」なんて喜んでいる人もいるけど、信じられないね。あれのどこが市民なんだ。何が政治を変えたというんだ。よくもあんな破壊行動を支持できたものだよ。恐ろしい。
でも、日本はフランスに比べて、本当にまともだと思うね。だって、ハロウィーンの夜に渋谷で軽トラックを横転させた犯人を群衆の中なら探し出して逮捕したっていうじゃないの。暴徒をしっかり取り締まってくれる素晴らしい国だよ。
──もしも、日本でフランスのような暴動が起きたら、どうなるでしょうか?
高須:法律に従って粛々と犯罪者を取り締まるだけ。もちろん、犯罪行為に及ばない正当なデモであれば続ければいい。とてもシンプルなことだと思うね。そして、暴力によって政治をどうこうしようという考えが間違いだということを今のうちからしっかり知らしめておくことも重要だ。フランスの暴動を見て、「日本でもやれ!」なんて言っている人がいたら、それは危険人物だ。そこはちゃんと言っておきたいね。
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暴力的な手段で政治に対抗することを徹底的に批判する高須院長。どんな主張があろうとも、善良な市民を恐怖に陥れる行為は許されるものではないのだ。
【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。
昭和大学医学部客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。脂肪吸引やプチ整形など、日本に「美容整形」を広めた第一人者。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広。金色有功章、紺綬褒章を受章。著書に『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子氏との共著)、『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)、『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)、『行ったり来たり 僕の札束』(小学館)、『ダーリンは71歳・高須帝国より愛をこめて』(小学館)、『炎上上等』(扶桑社新書)、『かっちゃんねる Yes! 高須 降臨!』(悟空出版)など。最新刊は『大炎上』(扶桑社新書)。