──32歳で入社して社長にまで上り詰めるのは並大抵のことではありません。
芳井:この会社から教えられたのは「公平であることの大切さ」です。私は中途採用でしたが、会社は生え抜き社員と同じようにチャンスをくれた。中途採用も出身大学もハンデにならない。大和ハウスにこれからどう貢献してくれるか、その1点で評価してくれました。
私も社長という立場になって、人事部、あるいは各支店長にこう言っています。「人事考課や業績査定は1年でリセットやで。新年度からは真っさらでフラットに見ろよ」と。一度コケても、またチャレンジできる、その社風が大和ハウスの強みだと思っています。
【PROFILE】よしい・けいいち/1958年、大阪府生まれ。中央大学文学部卒業。神戸製鋼のグループ企業を経て、1990年に大和ハウス工業入社。2011年に取締役上席執行役員、2016年に取締役専務執行役員。2017年11月より現職。
●聞き手/河野圭祐(ジャーナリスト):かわの・けいすけ/1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。
※週刊ポスト2019年3月15日号