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煽り男とガラケー女 2人に対してむいた牙も怖かった

取手警察署に入る宮崎文夫容疑者(時事通信フォト)

 その異常さが、象徴的に表れていたのはフェイスブックだ。犯人の男が自分のアカウントを持っていたため、実名が報道されるとすぐにネット民たちが駆けつけた。そして、書き込み可能なコメント欄にあらんかぎりの罵声を投げつけた。執筆時点でその数、700以上にのぼる。

 そのまま掲載するには差し障りのあるコメントを省いて、それでもインパクトの強かったものをいくつか挙げてみよう。意識してほしいのは、これはツイッターやインスタグラムのように匿名メインのSNSではなく、実名が原則のフェイスブック上に記されている文字群だということだ。

 まず、犯人逮捕前の段階では、たとえばこんな書き込みがあった(一部、筆者による省略などあり)。

〈早よ捕まれ、このクソハゲ。一生、豚小屋へ打ち込まれとけ!〉

〈ゴミクズ君 お前みたいなやつは、生きる価値がないし、気持ち悪いから早く首吊って死ねよ。社会のゴミ野郎〉

〈逃げ回ってんじゃねぇよ。クソババアも一緒か?なんにせよ人生終わったんだから早く捕まるか死ねよ。〉

〈威勢だけ良く、警察が出てきたら逃げ回る。ヘタレでけつの穴の小さいゴミよのう。ガラケー女と一緒に留置場で首を吊れ〉

〈文句あるなら書き込みした人、全員にメッセンジャーから電話をするといいですよ^_^あ、私とタイマン張りますか?宮崎さん〉

「死ね」という言葉や意味をためらいなく使うコメントが多い。〈死ね死ね死ね〉を無数に連打したものもあった。あの動画を見ていて、加害者を憎らしく感じる気持ちはわかるのだが、そこまで強い憎しみになるものか。どうしたらこんなに攻撃的な気持ちになるのか、理解に苦しむ。そして、逮捕後もコメント欄への書き込みは続く。

〈ざまぁwwバカがSNSなんてやって本当にご愁傷様。一生臭い飯食ってろ!〉

〈ねぇ逮捕されて今どんな気持ち?www自分自身が煽られてる今どんな気持ち~?www〉

〈ハゲ野郎 往生際悪いし生え際も寂しいのー(笑)喜本奈津子って、オバハンも逮捕や。二度と世間に出て来るな〉

〈こいつ、絶対、薬物やってるわ。ヤクブーツはやめろ、ハゲ、ハゲ、ハゲ〉

〈喜本とかいう養豚ババアもイかれてるな、テメェら自分の家族と殺し合って死ね、生き残った奴は褒美として自殺しろやゴミ。〉

 逮捕時の中継映像などで刺激されたのか、また攻撃的なコメントが続く。やたらと多用されている「ハゲ」の単語に、幼稚さも感じられる。まるで子供の悪口みたいだ。だが、それを大の大人が実名をさらして(ものによっては顔もさらして)、ヒステリックに言い募る様は異様である。

 中には、こんな書き込みもあった。

〈炎上中をお楽しみの皆さん。面識もないのに色々書きたい気持ちは理解しますが、自己責任ですよ。捨てアカでも匿名でも例外なく追尾されますから今一度冷静になったほうがいいと思いますよ。こんな事の為に面倒に巻き込まれたくないでしょ。〉

 しかし、そんな忠告はお構いなく、罵詈雑言の嵐は続くのだった。

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