お盆休みに上陸した「台風10号」のニュースを見ながら、一年後に開催されている東京五輪に思いをはせた人も多いのではないだろうか。オリンピック憲章で、競技大会の実施期間は16日間を超えてはならないと定められているため、悪天候でも競技が強行開催される可能性が高いという。天候の影響を受けやすい屋外競技でもとりわけ影響が大きいのが「海辺」を会場にする競技だ。
先日の台風10号では、海水浴中の事故死者が多く出たことも記憶に新しい。もし暴風・波浪の中で開催すれば、選手が命の危険に晒されるかもしれない。
「東京五輪から採用されたサーフィンやセーリングは、高波や強風の影響を受けやすい。特にサーフィンの行なわれる千葉県・釣ヶ崎は良質な波で国内有数のサーフポイントとして知られているが、それは裏返せば高波のリスクが高いということ。『中止』すべきか否か、難しい判断を迫られるでしょう」(スポーツ紙五輪担当チーフ)
ボート、カヌーの会場となる『海の森水上競技場』『カヌー・スラロームセンター』や、馬術会場の『海の森クロスカントリーコース』にも危険が潜む。
災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏が言う。
「これらの会場が位置する臨海部は、遮蔽物がないため内陸部よりも強い風が吹き荒れる。会場施設自体に被害が予想されるほか、飛来物の撤去などに相当な時間がかかるでしょう。台風が過ぎても、しばらくは競技を実施できない可能性が高い」