異色の経歴をもつ山田シェフ(撮影/平野哲郎)

 長野県産の高麗人参のスープなど、地域の味とフレンチのプロの技を盛り込んだ特別ランチを求めて、人間ドックの予約はなんと1年半待ち。

 そんな『ヴァイスホルン』は、長野県内に幅広く店舗展開し、軽井沢などの別荘族からも支持されているスーパーマーケット『ツルヤ』と提携し、2015年より店頭でのレシピカードの提供を行っている。この取り組みは、2018年11月、厚生労働省の「第7回 健康寿命をのばそう!アワード〈生活習慣病予防分野〉」で、厚生労働大臣団体部門優秀賞を受賞した。

 同賞は、国民の生活習慣を改善し、健康寿命を延ばす「スマート・ライフ・プロジェクト」の一環として、優秀な取り組みを行っている企業や団体に贈られる。まさに『ヴァイスホルン』は日本一のお墨付きを得たといえないだろうか。

 そう、ここは、「日本一おいしい病院レストラン」なのである。この奇跡ともいえるレストランで、いったいどんな人物が腕を振るっているのだろう。

◆まるで“科学の実験”好奇心旺盛な料理好きの少年

「小さい頃から料理が好きだったんです」と照れたように笑うのが、『日本一おいしい病院レストランの野菜たっぷり長生きレシピ』を上梓したシェフの山田康司さん。長野県松本市出身の54才。かつてはフランス料理の有名店『クイーン・アリス』の料理長を務めていた。実は、東大を中退して料理人になったという異色の経歴を持つ。

「物心ついた時には、“とんカツのパン粉付け”とか、“スープ鍋をかき混ぜる”とか、そういう手伝いを好んでしていました。母が購読していた女性誌の料理記事や料理本などもよく眺めていましたし、小学生の頃には、“ビーフシチューを作りたい!”と思うようになって、兄や妹の誕生日など特別な日に作らせてもらいました。わが家は4人きょうだいの6人家族だったので、結構大変でしたけど、それもうれしくて」(山田さん・以下同)

 山田少年にとって、料理は「科学の実験」だった。

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