ライフ

大阪と名古屋のいがみ合い、東京に煽られ踊らされた悲しい現実

吉村大阪府知事は愛知県の大村知事への不満が爆発(時事通信フォト)

 愛知県の大村秀章知事に対する解職請求(リコール)運動について、キッパリと賛意を示した大阪府の吉村洋文知事。2大都市のトップ同士がいがみあう前代未聞の騒動が勃発したが、その背景には大阪と名古屋の深い因縁があった。

 大阪と名古屋の根深い対立の背景には歴史的な経緯もある。カギを握るのは、あの偉人だ。本誌・週刊ポスト『逆説の日本史』シリーズを連載する名古屋市出身の作家・井沢元彦氏が指摘する。

「大阪を大きく発展させたのは豊臣秀吉です。大坂城を築いたのも秀吉で、大阪人は二言目には『太閤さん』と自慢しますが、その秀吉の出身は名古屋。だからこそ、『誰が大阪を作ったと思ってるんだ』という感覚が名古屋人にはある。

 そもそも秀吉は名古屋弁を使っていたとも言われていますからね。そうした背景が、大阪に対する『上から目線』に繋がってしまうのです」

 半面、名古屋には劣等感もあるという。

「現在、世間一般の意識としては名古屋より大阪のほうが大きな都市でしょう。名古屋人には、『俺たちの先祖が大阪を作って大きくしたのに、その恩を忘れやがって』という複雑な思いがある。

 これはイギリスとアメリカの関係に似ています。イギリスがアメリカを作ったのに、いまではアメリカのほうが巨大になり、世界への影響力も強い。名古屋人の感情もこれと同じで、優越感と嫉妬が入り混じっているのです」(井沢氏)

関連キーワード

関連記事

トピックス

真美子夫人は「エリー・タハリ」のスーツを着用
大谷翔平、チャリティーイベントでのファッションが物議 オーバーサイズのスーツ着用で評価は散々、“ダサい”イメージ定着の危機
女性セブン
猛追するブチギレ男性店員を止める女性スタッフ
《逆カスハラ》「おい、表出ろ!」マクドナルド柏店のブチギレ男性店員はマネージャー「ヤバいのがいると言われていた」騒動の一部始終
NEWSポストセブン
社会人になられて初めて御料牧場でご静養された愛子さま(写真/JMPA)
愛子さま、社会人になられて初めて御料牧場でご静養 “新天地”でのお疲れを癒されて
女性セブン
氷川きよしが独立
《真相スクープ》氷川きよしが事務所退所&活動再開 “独立金”3億円を払ってでも再出発したかった強い思い
女性セブン
殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者(51)。ストーカー規制法違反容疑の前科もあるという
《新宿タワマン刺殺事件》「助けて!」18階まで届いた女性の叫び声「カネ返せ、カネの問題だろ」無慈悲に刺し続けたストーカー男は愛車1500万円以上を売却していた
NEWSポストセブン
大越健介氏が新作について語る(撮影/村井香)
『報ステ』キャスター・大越健介氏インタビュー「悩んだり、堂々巡りする姿を見せることもキャスターの仕事の1つだと思っています」
週刊ポスト
5月8日、報道を受けて、取材に応じる日本維新の会の中条きよし参議院議員(時事通信フォト)
「高利貸し」疑惑に反論の中条きよし議員 「金利60%で1000万円」契約書が物語る“義理人情”とは思えない貸し付けの実態
NEWSポストセブン
宮沢りえの恩師・唐十郎さん
【哀悼秘話】宮沢りえ、恩師・唐十郎さんへの熱い追悼メッセージ 唐さんの作品との出会いは「人生最高の宝物」 30年にわたる“芸の交流”
女性セブン
殺害された宝島さん夫婦の長女内縁関係にある関根容疑者(時事通信フォト)
【むかつくっすよ】那須2遺体の首謀者・関根誠端容疑者 近隣ともトラブル「殴っておけば…」 長女内縁の夫が被害夫婦に近づいた理由
NEWSポストセブン
初となる「頂上鼎談」がついに実現!(右から江夏豊、田淵幸一、掛布雅之)
【江夏豊×田淵幸一×掛布雅之の初鼎談】ライバルたちが見た長嶋茂雄秘話「俺のミットを“カンニング”するんだよ」「バッターボックスから出てるんだよ」
週刊ポスト
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
曙と真剣交際していたが婚約破棄になった相原勇
《曙さん訃報後ブログ更新が途絶えて》元婚約者・相原勇、沈黙の背景に「わたしの人生を生きる」7年前の“電撃和解”
NEWSポストセブン