弟を苛め抜いた兄
この告発本をなぜ、トランプ大統領が恐れたのか。血の繋がった姪がトランプ一族の「忌まわしい内実」を克明に描き、臨床心理士という専門家として叔父のトランプ大統領を「社会病質人格障害者」(Sociopathic Tendencies)と指摘しているからだ。
ロバート氏は小さい頃から兄のトランプ大統領に苛められていた。そのロバート氏について、メアリーさんは新著の中でこう書いている。
「ドナルド(トランプ大統領)は子供の頃からロバートを苛めに苛め抜いた。ドナルドにとってはロバートを苛めるのは一つのゲームだった。ドナルドはそれを楽しんでいた。その結果、ロバートは成人になっても兄のドナルドには一切頭が上がらなかった。兄に言われたことを文句も言わずに嫌々でもやらざるを得なかった」
ロバート氏はボストン大学卒業後、著名な証券会社に入社。が、40歳の時に「トランプ・エンタープライズ」のカジノ経営者がヘリコプター墜落事故で死亡。急遽、その経営を任せられたが、赤字経営で倒産。48歳の時には「トランプ・マネージメント」部門に移り、50万ドルの年収を得ていた。
父親のフレッド・シニアが1999年に死去した際の財産相続協議では、すでにトランプ王国の「帝王」になっていた次男のトランプ大統領がすべて取り仕切った。
長男のフレッド・ジュニアは1981年、42歳の若さですでに他界。ロバート氏はトランプ大統領には全く頭があがらなかった。そこでトランプ大統領は遺産額の過小評価、脱税・不正申告などありとあらゆる違法行為を働いたと、メアリーさんは本の中で明らかにしている。