米国のみならず、国際社会をも翻弄したトランプ大統領は再選されるのか──世界が固唾を飲んで米大統領選の情勢を見守る中、トランプ一族の内部から「ドナルドは大統領不適格」と“告発”する本が米国で出版され話題となった(日本語訳版は『世界で最も危険な男 「トランプ家の暗部」を姪が告発』)。著者で大統領の姪(兄フレッド・トランプ・ジュニアの娘)の臨床心理学者メアリー・トランプ氏が、トランプ大統領の秘話を明かす。(聞き手/在米ジャーナリスト・高濱賛)
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──トランプ氏は安倍晋三前首相を「親友」と呼び、特別な個人的な関係を堅持してきたように見えます。特別な理由でもあるのでしょうか。
メアリー・トランプ(以下メアリー): 2人が一緒にいる光景を(メディアを通じて)見かけて気づくのは、安倍氏はドナルドの扱いが非常にお上手だということです。それが長続きしている。
安倍氏はドナルドの扱いかたを熟知しているように思えるのです。詳細について知らないのにこんなことをいうのも変ですけど。安倍氏はドナルドが聞きたいこと、聞くことを必要としていることを知っているようです。
確かに、ドナルドと外国首脳との交流を見ているのは物凄く面白いです。一方では(トランプ大統領とはうまくいっていない)アンゲラ・メルケル独首相やエマニュエル・マクロン仏大統領のような人物がおり、他方に(うまくいっている)ロシアのウラジミール・プーチン大統領や金正恩朝鮮労働党委員長とがいて、(トランプ大統領との相性は)全く異なっている。
確かにドナルドの外国首脳との付き合い方には変則的な要素があると、いつも思って見ています。
「権力が何であるか理解していない」
──トランプ大統領は権威主義の外交首脳がお好きなようだが、自分も権威主義者になりたいのではないでしょうか。
メアリー:そうだと思います。ドナルドは、この国(米国)の多くの人たちや政府当局者たちが、自分が達成しようとしている目標に賛同し、手伝ってくれていると勘違いしているのです。その反面、ドナルドはプーチン大統領、中国の習近平国家主席、金正恩朝鮮労働党委員長と言った人物との関係では、相手にへつらっているのです。面白い現象です。