今こそ現状を変える時
──ところで11月3日にはバイデン候補に投票しますか。
メアリー:もちろんです。ドナルドについてこれだけ(悪口を)言ったり書いたりしてきたわけですからドナルドに一票を入れたらおかしいでしょう。真面目な話、ドナルドが大統領執務室にさらに4年間も居残ったらこの国は荒廃してしまいます。それはアメリカ民主主義の終焉を意味します。と同時にそれは世界の同盟国を荒廃させてしまいます。ですから、どんなことがあってもバイデン・ハリス正副大統領候補が勝つことを心の底から祈っています。
──ハリス氏をどう見ていますか。
メアリー:彼女は素晴らしい、聡明な女性です。彼女は強靭で、経験豊かな出来る政治家です。バイデン氏とは釣り合いの取れたランニングメイトです。
多くの人がバイデン氏は年をとりすぎていると言っています。確かに彼は(トランプ氏とともに)もう一人の白人高齢者です。(それに黒人女性のハリス氏が副大統領候補になったことで)これまでになかったほどのこの国の多様性を反映されることになりました。
それにハリス氏は、トランプ、ペンスという共和党候補に対し、一歩も後には引かぬ、恐れを知らぬ政治家です。共和党陣営は彼女を標的に絞って、ありとあらゆる攻撃をしかけてくるでしょうが、ハリス氏は負けないでしょう。
──トランプ氏は大統領職を去れば、いろいろな法的問題が出てきそうですね。
メアリー:私はそうなって欲しいと思っています。ドナルドは訴追され、有罪判決を受けて服役するに値することをやってきました。新型コロナウイルスで亡くなっている米国人一人一人は、ドナルドの無責任と無作為が直接原因です。
コロナウイルスに感染している多くのアメリカ人の命(9月8日現在、感染者数634万人、死者数19万人)は、ドナルドの手のうちにあるのです。われわれはドナルドの犯した他の犯罪についてもまだ(解明や捜査で)手をつけていません。私はこの国が責任をもって(トランプ氏の犯罪行為を)処理する人を選ぶことを心より望んでいます。今こそ現状を変える時です。
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メアリー氏の指摘するトランプ大統領のパーソナリティに由来する問題の数々は、前述の著書『世界で最も危険な男』(小学館刊)でさらに詳しく、赤裸々に綴られている。米国の有権者がメアリー氏の警告にどこまで耳を傾けるのか、米大統領選から目が離せない。