「この家でこの服だと、大富豪の妻みたいだな(笑い)」

「この家でこの服だと、大富豪の妻みたいだな(笑い)」

 巣ごもりでテレビを見る時間も増え、ローカル番組を熱心に見ているという。

「東京の放送は全国へ流すため大所高所から語る構成が多く、それも大切な役割だと思います。かたやローカルの番組ではグルメやレジャー、広島では原爆に関する話題など地域に根ざした生活情報が中心です。生活者目線は、アナウンサーとしてこれまでの自分には欠けていた視点かもしれないと気付きました。若い頃は難しいことを勉強してそれを聞いてもらいたいという欲がありましたが、最近は見てくださるみなさんの想いを受け取って、私も率直な気持ちを伝えたいと考えるようにもなりました」

 今年で、入社25年となった。

「人生経験を積んだ大人の鑑賞にも堪えうるもの、面白いと感じてもらえるものを届けたいと思ってこれまでやってきました。“大人になるのは素敵だ”という社会であったらいいと思いますし、伝え手としてその想いを大切にしています」

 広島生活で世界が広がり感性もより豊かになった今ならば、大人に共感してもらえる言葉を伝えられるのではないか──下平アナはそう語り、アナウンサー26年目の自分に期待を寄せた。

【プロフィール】
下平さやか(しもひら・さやか)/東京都出身。早稲田大学卒。95年にアナウンサーとしてテレビ朝日入社。『トゥナイト2』アシスタントや『ミュージックステーション』サブ司会などで人気を博す。現在の担当番組は『じゅん散歩』(ナレーション)、『ANNニュース(昼・日曜)』、『サンデーLIVE!!』

◆撮影/熊谷 貫
◆️取材・文/渡部美也

※週刊ポスト2020年11月6・13日号

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