路上で待機するフードデリバリーの配達員(時事通信フォト)

路上で待機するフードデリバリーの配達員(時事通信フォト)

「メニューの招待料ですね、あれはちょっと前までは美味しかったんですよ。いま1万でしょ?」

 旧知のライターに聞くと以前(9月27日まで登録完了、初回配達)は2万5000円も貰えたらしい。つまり紹介者、被紹介者合わせて5万円。それも50日以内に30配達でよかったという。しかし紹介が殺到したらしくその登録そのものが遅延、「友達紹介キャンペーン」とあるが友達を失わなかったか心配だ。誘ったらお金がもらえるこのシステム、ちょっと保険外交員にも似ている。

「ウーバーは日付またげないけど、メニューは24時間配達できるから、うまい具合に掛け持ちしてるんでしょうね」

 メニューは24時間配達できる。ウーバーは現状では朝の9時から深夜24時まで。掛け持ちすれば、配達員は24時間働けるというわけだ。個人事業主だから本人の自由だが、その24時間の中で事故や怪我の保証がされるのは配達中だけ。配達をスタートしない限り、それが本人的にはウーバーの業務だろうがメニューの業務だろうが自己責任だ。家から地蔵ポイントに行く間、リクエストを待つ間、配達完了後、すべて何の保証もない。

儲かんのかね? そうは見えない

「彼らも生きてくのに必死だからかわいそうなんだけどさ、こっちも商売だから、その辺でたむろされると迷惑なんだよ」

 目の前でウーバー地蔵が何体も出現している冒頭の店主。口は悪いが関係ない人たちのホンネだろう。配達員にも当然ちゃんとした人はいる。しかし「俺は違う」「俺は守ってる」と言ってもウーバーの評判は芳しくない。もちろんそれは一部の極端な連中のせいだが、のらりくらりと場当たり的に批判をかわし、苦情の何もかもを「個人事業主だからそいつら(配達員)に文句を言え」の一点張りどころか警察に言えと突き放すウーバー側に問題があるのは明らかだ。「ユーザーは、輸送業者が提供する輸送サービスに関する苦情を、輸送業者に提出するものとします」で自分たちは駄賃を稼ぐ。

「でもなぜやるんだろうね、儲かんのかね? そうは見えないね」

 ウーバーイーツ日本代表の武藤友木子氏は昨年の日本経済新聞(2019年12月19日付)のインタビューで「ウーバーイーツのような新しい働き方は日本にとって絶対に必要だ。うつ病や引きこもりで、いったん社会から遠ざかってしまった人がウーバーイーツで働き始めるといったケースもある」と話しているが、彼女からすれば素晴らしい社会貢献なのだろう。それにしてもこのたとえ、ちょっとどうかと個人的には思うが。

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