店舗前で待機するウーバーイーツの配達員(時事通信フォト)

店舗前で待機するウーバーイーツの配達員(時事通信フォト)

「注文を取りに来たわけでもないのに店の前にずっと集団でたむろってたら、そりゃ迷惑ですよ。実際に注文を取りに来て待ってるのに地蔵と同類にされます。(店の)お客や通行人には区別なんかつかないわけで」

複アカつかってなりすまし。連中はやりたい放題です

“地蔵”は配達員がウーバーイーツからの配達リクエストを待つ間、路上や店頭で待つ行為を指す。商品を待っているのではなくウーバーイーツが受け付けた客からの注文を待っている。リクエストはウーバーがAIで割り振っているが、確率的には店に近い配達員にリクエストが来ることがほとんど。それを狙って配達員は大手ファーストフ―ド店などの前で待ち“1分以内に到着する配達員”としてリクエストしてもらおうとする(分単位なので1分が最短となる)。そうしてたくさんの“ウーバー地蔵”が造立される。

「でも1分以内とか厳密じゃありませんから気にしませんね、それなりに近ければ鳴る(配達へのリクエストが来る)こともあれば、目の前にいたって鳴らないこともあります。個人的には繁華街をゆっくり安全に流していたほうが鳴ると思いますけどね」

 あくまで島野さんの感覚だが、それもトレーニングを兼ねた副業だからこそであり、1件でも仕事が欲しい、配達回数をこなしたい配達員にとっては注文が殺到する店舗の前で地蔵をする方が確実なのだろう。

「最近は地蔵禁止の店舗も見ます。やっぱ苦情が多いんでしょうね」

 筆者も新中野のマクドナルドで「当店の前での待機はやめて頂きたく存じます」の張り紙を見た。ごく一部の店舗だがついに出た “地蔵禁止令”。筆者のこれまでの記事やテレビ報道、近隣住民の苦情で地蔵禁止はさらに拡大するかもしれない。ウーバージャパンに質問状を送ったところ寄せられた回答によれば11月24日に開設された「お客様相談室」に配達員同士のトラブルはもちろん一般人も配達員の問題行動を見かけたら報告して欲しいとのことで、同時に注意喚起を強化していく方針だという。そして地蔵は日本人だけではない。

「外国の地蔵は多いですよ。集団で地蔵してます。フレンドリーなのもいるけど、だいたい話しかけても薄笑い浮かべるだけ、うっかりすると囲まれます」

 ウーバーイーツの外国人というとかつては島野さん同様、颯爽とロードバイクやクロスバイクを駆る欧米人を連想したが、最近はアジア系のママチャリ軍団やレンタル自転車組が増えた。彼らは集団で行動していることが多い。もちろん全員がそうではないが、筆者は彼ら外国人配達員同士の小競り合いを見たことがある。

「だいたいベトナム地蔵です。ほんとベトナム人は多い。あいつら集団で複アカ使って“なりすまし”をしますからね。やりたい放題です」

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