“名店”には創作のヒントが隠れている

秘伝のタレとフライドガーリックが食欲をそそる柔らかジューシーな一品(『スタミナ深夜食堂』より「トンテキ」 東京トンテキ)

秘伝のタレとフライドガーリックが食欲をそそる柔らかジューシーな一品(『スタミナ深夜食堂』より「トンテキ」 東京トンテキ)

左古:料理の絵を描くために取材へ行くこともあるんですか。

安倍:あります。たとえばトンテキは本場の四日市に行きたかったんですけど、時間がなくて諦めました。それで、調べていたら渋谷に「東京トンテキ」という店があったので食べに行って、写真を撮らせてもらいました。生姜焼きと唐揚げが合い盛りになったA定食は「野方食堂」、かつおのタタキは「才谷屋」という店で取材させていただきました。

『深夜食堂』13集 第175夜「トンテキ」より

『深夜食堂』13集 第175夜「トンテキ」より

左古:東京だと旨いかつおのタタキにお目にかかることは稀だけど、「才谷屋」のはほんとうにおいしい。さすが、本場高知の目利きが厳選したかつおを使っているだけあって、高知で食べるものと比べても遜色がないですね。薬味の上から絞っているぶしゅかん(四万十市で栽培されている”酢みかん”の一種)の爽やかな香りと酸味が旨さを倍増させていて、いくらでも食べられます。

『深夜食堂』17集 第237夜「カツオのタタキ」より

『深夜食堂』17集 第237夜「カツオのタタキ」より

安倍:やっぱり名店といわれるお店に行くと、いろいろと勉強になります。そこで聞いた話が『深夜食堂』のヒントになることもあるので、新型コロナはまだまだ続きそうですが、感染対策に気をつけながら、これからもお店を回ろうと思います。

*本文は、新刊『スタミナ深夜食堂』の内容をもとに再編集したものです。

薬味をたっぷりのせた絶品かつおタタキで健康増進(『スタミナ深夜食堂』より「鰹タタキ」 才谷屋)

薬味をたっぷりのせた絶品かつおタタキで健康増進(『スタミナ深夜食堂』より「鰹タタキ」 才谷屋)

【プロフィール】
安倍夜郎(あべ・やろう)/1963年、高知県生まれ。CM製作会社勤務を経て、2004年に『山本耳かき店』で漫画家デビュー。『ビッグコミックオリジナル』連載の『深夜食堂』は2009年にドラマ化、2010年に第55回小学館漫画賞一般向け部門、第39回日本漫画家協会賞大賞受賞。その他の著書に『生まれたときから下手くそ』『酒の友めしの友』など。

左古文男(さこ・ふみお)/1960年、高知県生まれ。1986年に『YOKOHAMA BAY CITY BLUES』で漫画家デビュー。現在は文筆家・漫画家・編集者として幅広く活動。主な著書は『四万十食堂』(安倍夜郎氏との共著)、『コケを見に行こう!』『クセがつよい妖怪事典』などの他、企画・編集作品に漫画家・水木しげる氏の最後のインタビューをまとめた『ゲゲゲのゲーテ』がある。

 

関連記事

トピックス

「夢みる光源氏」展を鑑賞される愛子さま
【9割賛成の調査結果も】女性天皇についての議論は膠着状態 結婚に関して身動きが取れない愛子さまが卒論に選んだ「生涯未婚の内親王」
女性セブン
勝負強さは健在のDeNA筒香嘉智(時事通信フォト)
DeNA筒香嘉智、日本復帰で即大活躍のウラにチームメイトの“粋な計らい” 主砲・牧秀悟が音頭を取った「チャラい歓迎」
週刊ポスト
『虎に翼』の公式Xより
ドラマ通が選ぶ「最高の弁護士ドラマ」ランキング 圧倒的1位は『リーガル・ハイ』、キャラクターの濃さも話の密度も圧倒的
女性セブン
羽生結弦のライバルであるチェンが衝撃論文
《羽生結弦の永遠のライバル》ネイサン・チェンが衝撃の卒業論文 題材は羽生と同じくフィギュアスケートでも視点は正反対
女性セブン
“くわまん”こと桑野信義さん
《大腸がん闘病の桑野信義》「なんでケツの穴を他人に診せなきゃいけないんだ!」戻れぬ3年前の後悔「もっと生きたい」
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
撮影前には清掃員に“弟子入り”。終了後には太鼓判を押されたという(時事通信フォト)
《役所広司主演『PERFECT DAYS』でも注目》渋谷区が開催する「公衆トイレツアー」が人気、“おもてなし文化の象徴”と見立て企画が始まる
女性セブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン