高い合格のボーダーラインは十分クリア

 まとめると、第2世代レヴォーグは低CO2の一点を除けば、非常に良い商品力を持ったクルマに仕上がっていた。スバルのような小規模メーカーにとっては、走りや快適性などの商品力が高いことは生き残りの絶対条件。巨大メーカーと同じようなモノを作っていたら、そちらを選ばれてしまうからで、合格のボーダーラインは高いのだが、それは十分に超えていると言ってよさそうだった。

雪道でも走りや快適性など商品力の高さを証明した(スバル レヴォーグSTI SPORT EX)

雪道でも走りや快適性など商品力の高さを証明した(スバル レヴォーグSTI SPORT EX)

 それだけに、今後は環境に関するサスティナビリティの部分、とくに燃費向上をもっと頑張るべきだろう。

 スバルは一応パラレル方式のマイルドハイブリッドシステムを持っているが、これは性能の割に重量、体積が大きく、コストも高いなど、ちょっと時代遅れになっている。今はもっと簡便、低コストで性能を出せるパラレルハイブリッドの提案が多数出ているので、それらをセットアップするなどして燃費を上げるべきだ。

 旧来のスバルファンにとって、スバルが高出力エンジンを出さなくなることは寂しいことであるに違いない。が、本格的な電動パワートレインを持たないスバルは今、高出力エンジンを作れるような状況ではない。ユーザーが求めていても国の政策等がCO2低減に振れたら、メーカーはそれに黙って従うしかないのだ。

 幸い、驚異的な加速がないこと以外、積雪路や氷結路への強さをはじめ、スバル車らしさは十分に出ているので、スバルファンは今はそれをポジティブに味わうのが吉というものだろう。

 また、全長4.7m級のCセグメントステーションワゴンというモデルは他に競合がほとんどないので、低車高で積載力のあるリゾートエクスプレスが欲しいというユーザーにもレヴォーグは適合性が高いクルマと言えそうだった。

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