2社に共通した副反応としては、腕の痛みや接種後の悪寒などがある。米医師会が4月に発表した調査結果では、モデルナ製の接種後に痛みが出た人は71.4%(1回目)と78.3%(2回目)。一方のファイザー製は63.6%(1回目)と66.5%(2回目)と、モデルナ製の方の割合が高い。悪寒についても、2回目の後、モデルナ製は40%でファイザー製が22.7%と差がついた。
「アメリカでワクチンを接種した後にアナフィラキシーで失神したジャズミュージシャンの大江千里氏(60才)が接種したのはモデルナ製でした。2回目の接種から数時間後に腕が上がらなくなり、その後、痛みが全身に広がって呼吸が苦しくなり、気を失いました。熱は翌日も続いたといいますが、現在は問題なく回復しているそうです。
ワクチン接種後に死に至ったケースはファイザー製でもモデルナ製でも報告されています。ただ、因果関係については明らかになっていません」(前出・在米ジャーナリスト)
では、肝心の効き目はというと、「ともに有効性は90%を超えていて、若干、ファイザー製の方が有効性が高く出ています。変異株に対しては、従来のコロナウイルスに比べると効果は落ちるものの、一定の成果が出ています」(前出・在米ジャーナリスト)という。
アメリカ独自のデータを見るよりも、日本人に合うワクチンが気になるところだが、前出の大西さんは、
「どちらの方が日本人に合うなどといった研究結果はまったくありません。どちらも効果的ということです。大事なのはどちらを選ぶかより、打てるタイミングが来たら早く打つことです」
とアドバイスする。ただし、どのような薬であれ、個人差と同様に、人種や体格で効き目には差がある。接種が始まったら、次々に出てくるであろう副反応の情報は常にチェックしておきたい。“ワクチンマップ”を眺めながら悩む日はすぐそこだ。
※女性セブン2021年5月20・27日号