仏のソムリエコンテストで日本酒が採用
輸出好調の一方で、日本国内での日本酒の販売量は落ち込むばかり。国税庁のデータによると、2019年度は45万klまで落ち込んだ。最盛期1975年度の167万klに比べ7割以上もの大幅ダウンだ。それだけに輸出拡大は全国各地の蔵元にとっても至上命題といえる。
そんな日本酒業界にとって、うれしいニュースが飛び込んできた。
日本酒造中央会がパートナーシップを結ぶフランスの権威ある「フランスソムリエ協会」が主催する『ベストソムリエ・オブ・フランス2020』(コロナ禍で延期されていた)の決勝戦が5月31日に行われ、70名のエントリーから勝ち残った3名が戦った。
そのハレの場で日本酒「白川郷 純米吟醸 ささにごり酒」が、日本酒として初めて課題として採用されたというのだ。ワインの本場フランスで、日本酒がソムリエコンテストに使用されるという、まさに日本酒文化への注目の高まりを示す出来事だ。
フランスへの日本酒輸出額は2億1300万円と、まだまだ少ないが、こうした機会を通じて日本酒文化の広がりを期待したいものである。
日本からの農林水産物の輸出額は9223億円と、輸入額8兆6507億円の10.7%しかない。しかし、和食文化が世界的に広まるなか、日本酒のように付加価値を高め、流通チャネルを広げていけば、日本の食は確実に世界で勝負できる。