学生たちの「聖地」は完全封鎖状態
さらに高田馬場に移動する。学生たちが集まる駅前のロータリー広場は、完全に閉鎖されており、喫煙所も使用できない。週末ということで街に学生の姿は少ない。広場を封鎖したフェンスには都議選のポスターが貼られ、時折、通行人が立ち止まってポスターを眺めていく。
フェンスには感染対策のため閉鎖するとの掲示とともに、「喫煙禁止 ポイ捨て禁止」、「路上飲みは止めてください」の警告が表示されている。緊急事態宣言中にこの広場での若者たちの大騒ぎが繰り返し報じられ、学生たちの「聖地」は完全に封鎖されたままとなっているのだ。
別の日に訪れた新宿では、西口広場前の公共喫煙所、新宿中央公園の公共喫煙所に多くの喫煙者が集まっていた。
中央公園の喫煙所には「4月8日から当面の間、喫煙者が集中する11:30~13:30は閉鎖します」「喫煙所外での喫煙がある場合、全日閉鎖することがあります」の表示。もっとも、喫煙所の様子をうかがうと、ルールが守られ、喫煙所外でたばこを吸う人は見かけず、周辺のポイ捨てもなかった。
ただし、ビル街に向かうと、多くの商業施設ビルの屋内喫煙所がクラスター対策で閉鎖されているため、路上喫煙が増え、ポイ捨てに悩むビル管理会社が「敷地内、路上への吸い殻投棄禁止」などの警告表示を何枚も貼り出していた。
最近になって新宿では歌舞伎町の広場で多くの人が路上飲酒を行っていると報じられている。テレビでは朝から飲んでいたという男性がインタビューに応えていた。やめるように注意はされたが、罰則がないからと飲み続けていたという。
これが最近の都内の繁華街の日中の様子である。昼間でさえ、エリアによってはほぼ“無法地帯”となり始めている。
五輪「絶叫中継」が始まれば街はお祭り騒ぎに
今後、五輪開幕が近づくにつれ、五輪ムードの高まりの中で街に繰り出す人々が増えていったらどうなってしまうのか。トータルデザインが欠如した政府の感染防止対策のため、ただでさえリバウンドで新規感染者数が増加しているのに、今以上に人出が多くなれば、路上飲酒や路上喫煙、ケンカなどのトラブルが多発することは目に見えている。
「ここへきて開会式を無観客にするが、IOC関係者やスポンサーなどは別枠で入場可能とするという話が出てきています。明らかにダブルスタンダードです。これでは政府が家でのテレビ観戦を呼びかけたところで、相手にされません。
五輪が開幕してテレビの“絶叫中継”が始まれば繁華街は人で溢れるでしょうね。夜7時に店が閉まれば、公園や広場などでの路上飲酒・路上喫煙が多発しかねません。ハロウィンのときの渋谷みたいになる可能性だってあるのではないか」(メディア関係者)
都内の繁華街で連日連夜“お祭り騒ぎ”が繰り広げられる。そんな事態さえ想定されるというのだ。