「基本的なテーマは“人体の不思議”ですが、その表現方法が“攻めて”いる。劇画タッチで超能力や透明人間を紹介したり、血管の仕組みを説明するために、人体の中を冒険するミクロサイズの探索車が出てきたり……なかでも有名なのは、イルカの紹介ページです」
《人間より、いるかのほうが頭がよいのですか》という質問に対し、イルカの生態を説明したうえで、《もし、いるかが人間と同じようにりくの上でくらすとすると、知えのほうで、きっと人間をまかしてしまうだろうという人もいます》と結論づける。挿絵では、酸素ボンベを背負って宇宙服のようなパンツをはいたイルカが、人間に銃口を向けている。キャッチコピーは、《イルカがせめてきたぞっ》。
「それまでの教科書的な図版からは一線を画した、超・エンタメ重視の図鑑です。とにかく興味関心を持って読んでもらえるよう、子供たちの笑いが止まらないようにつくられているのです」
理科の教科書からスタートしたはずの学習図鑑は、知識を得られるだけでなく、「楽しめるもの」「好奇心を刺激するもの」へと進化していった。
※女性セブン2021年8月12日号