五輪選手も日本でお茶を楽しんだ

五輪選手も日本で抹茶わらびもちを楽しんだ(写真/AFLO)

 コーヒーに含まれる以上のカフェインを摂ったら、むしろ体に悪いのではないか、と感じるかもしれない。だが、抹茶には、カフェインの覚醒作用をおだやかにする「テアニン」が含まれている。

「カフェインがアクセルなら、テアニンはいわばブレーキ。摂取することでα波を出して心身をリラックスさせ、寝つきをよくする作用もあります。テアニンと一緒に摂ることで、カフェインによる興奮を抑えながら、自然に目を覚ますことにつながります」

 コーヒーや従来のエナジードリンクのように急激な覚醒作用がないので、いわゆる「カフェイン切れ」で頭がボーッとすることもない。

 抹茶に含まれる成分は、それだけではない。抗菌・消臭作用が高いことで知られる「カテキン」は、お茶にしか含まれない成分だ。

「カテキンには、抗酸化作用のほか、高い吸着性があることもわかっています。お茶でうがいをすると、吸着性によって粘膜が守られ、口臭予防になるほか、ウイルスなどの感染を防ぐ抗菌作用も高い。現在、新型コロナウイルスの感染予防にも役立てられないか、研究が進められています」

 管理栄養士の麻生れいみさんによれば、抹茶を飲むことで、現代人に必要なさまざまな栄養素を摂ることができる。

「100gの茶葉に含まれる食物繊維は38.5g、たんぱく質は29.6gと、非常に多い。

 さらに、デトックス効果のあるクロロフィル、リラックス作用や血圧降下作用のあるGABA(ギャバ)、抗菌作用のあるサポニン、高い抗酸化作用と免疫力の向上が期待できるβカロテン、虫歯予防になるフッ素のほか、ビタミンB群、ビタミンC、E、K、葉酸、マグネシウム、カリウム、鉄分、亜鉛……と、不足しがちなビタミンやミネラルまで、まんべんなく含まれています」(麻生さん・以下同)

 抹茶は、玉露などのいわゆる煎茶と同じ茶の木から採れるが、茶葉そのものをまるごと摂取できるのは抹茶だけ。煮出すだけでは摂取できない栄養素まで余すことなく体に取り入れられるのだ。

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