ある音楽雑誌編集者は「コロナ禍のこの夏以降、多くのフェスがやり玉に挙がり、音楽イベントは窮地です。そんな中でディーンさんは、歓声を上げて盛り上がる形ではない新スタイルのライブを打ち出した。本当は黄色い声援を出したかったファンも、本人からコロナ禍で見出した新たな実験を共有しようと呼びかけられて、すっかり魅了されたわけです」と解説する。
ディーンは終演直後のインスタグラムのストーリーでは「#スタオベしても良いんやで」と、感染の危険性を広げぬ範囲でのファンの感情表現を許容する姿勢もみせた。
8月10日の「めざましテレビ」に出演した際には「家族と一緒にいたい…」と漏らしたディーンは、コロナ禍で2年以上もインドネシアの妻子のもとに帰れずにいる。それでも、ライブやフェスの中止や制限にSNSで不満を叫ぶばかりのミュージシャンたちもいる中で、前向きに新境地を切り開く。これぞ本物のアーティストの姿といえるのかもしれない。