芸能

令和の今なぜ「ドリフに挑戦」なのか? 中堅芸人たちが演じる理由

活躍が目立つサンドウィッチマンだが、それに続きそうなのは…(時事通信フォト)

サンドウィッチマンらがドリフのコントに挑戦!(時事通信フォト)

 志村けんさん(享年70)が亡くなってから1年半、『ドリフ』がテレビ番組で“復活”する。ドリフのメンバーに加えて、人気の中堅芸人たちがドリフのコントに挑戦するのだ。今なぜドリフなのか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 26日19時から放送される『ドリフに大挑戦スペシャル』(フジテレビ系)は、長年親しまれ、今年5月3日にも放送された『ドリフ大爆笑』のような過去のコント集ではありません。

 今回の特番は、「ドリフを愛してやまない芸能人“ドリフ・ラヴァーズ”が名作コントに挑戦する」という異例の企画。しかも、「もしもシリーズ」などの名作コントで真っ向勝負し、さらに3時間もの長尺放送であるところに意気込みが表れています。

 ドリフのコントに挑むメンバーは、サンドウィッチマン、カンニング竹山さん、劇団ひとりさん、アンタッチャブル・柴田英嗣さん、東京03・飯塚悟志さん、ずん・飯尾和樹さん、阿佐ヶ谷姉妹さんなど、実に30人超。さらにオリジナルメンバーの高木ブーさん、仲本工事さん、加藤茶さんも、「雷様」のコントなどを披露して華を添えるようです。

「ドリフ全盛期」と言われる昭和から、人々の趣味嗜好や生活習慣が大きく変わった令和の今、なぜドリフのコントに現役バリバリの芸人たちが挑戦するのでしょうか。

志村さんを亡くした今が継承のとき

 この特番の放送が発表されたとき、ネット上には賛否両論の声で二分されました。

 加藤茶さん本人が「正直、想像もしてなかったです。そのくらい、当時の僕らがやってきたことを超えるってことは難しいと思うし、マネできる訳がない、という自信もあった」とコメントしたように、オリジナルを超えるのは至難の業。視聴者の中にも思い入れの強い人が多いだけに、批判を浴びるリスクの高いチャレンジと言えるでしょう。

 しかし、賛成派の中で特筆すべきは、「難しい所はあると思うけど、ノウハウは後世に残って欲しい」「ドリフも高齢だしいつかは居なくなる。若手が吸収して継承していくのも大事」という声の多さ。「現役バリバリの世代が今、ドリフの芸を受け継いでおかないと、もう見られなくなってしまう……」という危機感を抱いている人々がいるのは間違いないでしょう。

 その上で、あらためて前述した“ドリフ・ラヴァーズ”のメンバーを見直してみると、「子どものころにドリフのコントを見て育った」という中堅芸人ばかりであることに気づくはずです。いきなりアラサーの若手芸人に受け継いでもらうのではなく、アラフィフ芸人を中心に据えているところが、「まずドリフのコントを愛し、よく理解しているこの世代に引き継ぐ」という現実的な選択であることを物語っています。

 今後は、そのアラフィフからアラフォー、アラサーの世代に引き継いでいけるのか。今回の特番は、「ドリフのコントが継承芸になっていくか」の試金石のように見えるのです。

 また、ドリフの中で唯一、冠番組や舞台などを精力的に行い、コントのバリバリ現役だった志村さんが亡くなったことも、「継承していかなければ」という強い思いにつながっているのではないでしょうか。視聴者は「きっと難しいだろう」「すぐにうまくいかないかもしれない」という前提で見る。制作サイドは批判があっても1度きりで終わらせずに続けていく。そんな“ドリフ・ラヴァーズ”を温かく見守る姿勢が大事なのかもしれません。

関連記事

トピックス

大谷翔平(左/時事通信フォト)が伊藤園の「お〜いお茶」とグローバル契約を締結したと発表(右/伊藤園の公式サイトより)
《大谷翔平がスポンサー契約》「お〜いお茶」の段ボールが水原一平容疑者の自宅前にあった理由「水原は“大谷ブランド”を日常的に利用していた」
NEWSポストセブン
かつて問題になったジュキヤのYouTube(同氏チャンネルより。現在は削除)
《チャンネル全削除》登録者250万人のYouTuber・ジュキヤ、女児へのわいせつ表現など「性暴力をコンテンツ化」にGoogle日本法人が行なっていた「事前警告」
NEWSポストセブン
主演映画『碁盤斬り』で時代劇に挑戦
【主演映画『碁盤斬り』で武士役】草なぎ剛、“笠”が似合うと自画自賛「江戸時代に生まれていたら、もっと人気が出たんじゃないかな」
女性セブン
水卜麻美アナ
日テレ・水卜麻美アナ、ごぼう抜きの超スピード出世でも防げないフリー転身 年収2億円超えは確実、俳優夫とのすれ違いを回避できるメリットも
NEWSポストセブン
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
大家志津香
《2024年後半、芸能界は誰がくる?》峯岸みなみに代わり“自虐”でオファー増加の元AKBメンバーなど5人
NEWSポストセブン
遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜の罪で親類の女性が起訴された
「ペンをしっかり握って!」遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜……親戚の女がブラジルメディアインタビューに「私はモンスターではない」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン