「永住」前提なら買いやすいエリアに着目

 資産価値を重視するのであれば、リセールバリューなどに注目して将来性の高そうなエリアを探してみるのがいいだろうが、永住が前提なので資産価値はさほど気にしないというのであれば、リセールバリューにこだわらずに、より買いやすいエリアに着目するのがいいだろう。

 別掲図3でも分かるように、ひとくちに首都圏といっても東京都とその周辺3県とでは成約価格や1平方メートル単価に大きな違いがある。いうまでもなく、東京都が最も高く、一番安い千葉県ならほぼ半年で手に入る。

 先にみたように、10年後の資産価値は都心やその周辺のほうが格段に有利で、千葉県はあまり上昇が期待できず、むしろ下がる可能性が高いといわざるを得ないが、それでも売却しない限りは関係がない。むしろ、価格が安く、ローン負担も半減できるのであれば、そのほうがゆとりある生活を送れるというメリットがあるはずだ。

【図3】首都圏中古マンションの都県別の成約価格と平米単価(2021年9月/出典:東日本不動産流通機構『月例マーケットウォッチ』)

【図3】首都圏中古マンションの都県別の成約価格と平米単価(2021年9月/資料:東日本不動産流通機構『月例マーケットウォッチ』)

千葉の中古マンションは東京より平均7畳分広い

 しかも、千葉県の中古マンションの専有面積は首都圏の一都三県のなかでは最も広くなっている。

 別掲図4にあるように、東京都の平均専有面積59.86平方メートルに対して、千葉県は71.58平方メートルで11.72平方メートルも広い。1畳を1.62平方メートルとすれば約7畳分に相当する。コロナ禍でもワークスペースを確保するには十分な広さだろうし、平米単価が東京都の半分以下であれば、さらにひと回り、ふた回り広い住まいを手に入れることができるかもしれない。

 値上がりは期待できないが、快適に住むうえでは千葉県は最も適したエリアといえるかもしれない。特に、子育て世帯でゆとりある広さを求めたいという人に向いている。

 中古マンション価格は値上がりが続いているが、そのなかでも割安のエリアはある。予算、将来の資産価値、居住性などを総合的に判断して、どのエリアがいいのかを決めるようにしたいところだ。

【図4】首都圏中古マンションの都県別の専有面積と平米単価(2021年9月/出典:東日本不動産流通機構『月例マーケットウォッチ』)

【図4】首都圏中古マンションの都県別の専有面積と平米単価(2021年9月/資料:東日本不動産流通機構『月例マーケットウォッチ』)

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