本書に続き、来年3月に刊行される『八月の母』と『かなしきデブ猫ちゃん』第3弾を最後に、『店長がバカすぎて』や『ザ・ロイヤルファミリー』が生まれた地・松山を離れるという。
「6年前に静岡県の河津から越してきて、ここでは絵本を出したりFMの番組を持ったり、町や人と関係を作りまくったんで、相当なロスを生む自信があります(笑)。1人の人間の中に表も裏もあるように、最後は部外者・早見が見た裏愛媛と表愛媛を描いた2冊で締めるつもりです」
これから先の未来、作家は小説、件の政治家は大説でコミットし続ける約束らしい。
【プロフィール】
早見和真氏(はやみ・かずまさ)/1977年横浜市生まれ。桐蔭学園高校時代は硬式野球部所属。國學院大学文学部在学中からライターとして活躍し、2008年に『ひゃくはち』で小説デビュー。2015年『イノセント・デイズ』で日本推理作家協会賞。2019年『ザ・ロイヤルファミリー』で山本周五郎賞とJRA賞馬事文化賞。著書は『95』『小説王』『あの夏の正解』等の他、かのうかりん氏との絵本『かなしきデブ猫ちゃん』が今年12月NHKでアニメ化予定。184cm、69kg、A型。
構成/橋本紀子 撮影/国府田利光
※週刊ポスト2021年12月3日号