“カレーを飲み込む”が危険
取り組みたいのが「食生活の改善」だ。健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子氏が解説する。
「歯周病になると歯ぐきのコラーゲンが破壊されることで劣化していきます。コラーゲン生成に必要なたんぱく質とともに、生成をサポートするビタミンCを意識して摂取してください」
具体的には肉や魚のほか、ビタミンCが豊富な緑黄色野菜やキウイ、イチゴなどのフルーツが推奨されるという。
「ビタミンCは摂取後2~3時間で体外に排出されるため、朝昼晩とこまめに食べると効果的です」(望月氏)
歯周病のもととなる、歯ぐきの炎症を抑えるにはどんな食材がいいか。
「海外では『オメガ3系脂肪酸』の血中濃度が高い人ほど歯周病になりにくいという研究結果があります。サバやサンマ、イワシやマグロなどの魚類やえごま油などは歯周病予防が期待できます。逆に油脂が酸化した過酸化脂質は炎症反応を引き起こしやすく、ギトギトのラーメンやポテトチップスなどは厳禁です。炎症を抑えるトマトのリコピン、緑茶のカテキン、ニンジンのβカロテンなどの摂取を心がけてほしい」(望月氏)
また「噛まないメニュー」も歯ぐき劣化につながるリスクがあるという。
「歯ぐきは筋肉と同様、使わなければ下がったり痩せたりします。普段の食事からオムライスやカレーといった”飲み込むように食べる”ものを避け、玄米や生野菜など食物繊維の豊富な食材をよく噛んで食べるべきです。咀嚼回数を増やすと歯ぐきの劣化を防ぐだけでなく、唾液の分泌が促進され、口腔内が殺菌されるため歯周病菌の増殖や口臭を抑えます」(望月氏)
※週刊ポスト2021年12月17日号