水口は過酷な受験勉強を経て、一浪の末、偏差値72の医学部人間健康科学科に入学。入学時は最速135キロ程度だったが、講義に追われながらも練習を積み重ねた。シーズン中には午前中に学科の試験を受け、午後に投手として登板することもあったという。
「時期によっては、病院実習で18時までグラウンドに行けない日も多いんです。そんな日は21時まで自主練習をして、ジムに行って、深夜1時頃寝る。体重を維持するために、合間にはプロテインと、みたらし団子を食べています。団子は意外と栄養バランスがいいんです」(水口)
チームメイトの「二刀流」も支えになっている。秋シーズン、4番も務めた3年生の伊藤伶真(21)は11月、文系最難関試験のひとつである公認会計士試験に合格。授業と練習の裏で、合計2200時間の猛勉強をしたという。
「尊敬に値するチームメイトです。自分も来年1月から実習が始まり、ほとんどグラウンドに顔を出せない日が続くと思うんですが、チームにはそんな状況をプラスに捉えて楽しんでいる選手がたくさんいます。
僕は理学療法士になるための勉強をしていますが、やはりプロ野球選手を目指したい。その目標を掲げる以上、『京大生』というレッテル抜きで、実力で評価される選手になりたいです」(同前)
※週刊ポスト2021年12月17日号