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ターメリック(うこん)は脳の栄養不足を解消してくれる(写真/Getty Images)

自粛生活で“脳の毒”リスクが上昇

 白澤さんは、このコロナ禍で、脳に毒がたまっている人が多いのではないかと話す。その代表格が、アルツハイマー型認知症の原因物質の1つとされる「アミロイドβ」というたんぱく質だ。詳しいメカニズムはまだ明らかになっていないが、脳に蓄積することで神経細胞を破壊し、脳を萎縮させるという。

「汚染物質や重金属などが脳に侵入すると、その毒から脳を守るために、アミロイドβが脳に集まります。ところが、その量が増えすぎると、かえって脳に炎症を起こし、認知機能を低下させる。アミロイドβは本来、充分な睡眠や適度な運動で脳から排出されます。ところが、この自粛生活で運動不足や睡眠不足に陥りやすいいま、多くの人の脳にアミロイドβが蓄積していると考えられます」(白澤さん・以下同)

 アミロイドβがたまっているサインとして、記憶力や思考力、聴力の低下などがみられることが多い。また、脳に炎症が起きている場合は「ホモシステイン値」が高くなる。ホモシステインとは、血中に存在するアミノ酸の一種で、心疾患などを引き起こす危険性もある。

「ホモシステイン値が上がる原因の1つは、ビタミンB群の欠乏だと考えられます。お酒が好きな人やカップ麺をよく食べる人、筋トレが好きな人などは値が高い。これは、アルコールや食品添加物、激しい運動などでビタミンB群が消費されるから。また、糖尿病や腎機能が低下している人も数値が高い傾向です」

 ホモシステイン値を下げ、間接的にアミロイドβの排出を促すためには「ビタミンB12」と「ビタミンB6」、「葉酸」の3つが有効だ。食べ物なら、かつお、さんま、さば、牡蠣、レバー、帆立などに多く含まれる。その上で、脳機能の向上に役立つ栄養摂取も忘れてはいけない。

「よく“脳の栄養源は糖質だけ”といわれますが、これは半分間違いです。脳の働きをよくするためには、糖質だけではなく、脳の細胞と細胞をつなぐ『シナプス』という“道”をつくる、ビタミンDも不可欠。骨を丈夫にする作用があるほか、細胞の炎症を抑えたり、腫瘍がつくられるのを防いだりする働きもあります」

 ビタミンDは、鮭やさば、しらすなどの海産物のほか、干ししいたけやきくらげなどに豊富だ。そして意外にも、カレーライスなどに欠かせない香辛料のターメリック(うこん)も、脳の栄養になる。

「うこんに含まれるクルクミンというポリフェノールは、脳の神経栄養因子を増やし、脳の栄養不足を解消します。カレーライスばかり食べるのは難しいなら、うこんの粉末を料理にかけるだけでもよいでしょう」

 管理栄養士の菊池真由子さんは、記憶力を高める栄養素について話す。

「卵黄や牛肉、豚肉に含まれるコリンは、脳に運ばれるとシナプスでつくられる神経伝達物質のアセチルコリンに変化します。アセチルコリンが足りないと、記憶力や集中力が低下するといわれています。“最近、物忘れがひどくなった”などという場合は、卵や牛肉を積極的に食べることをおすすめします」

※女性セブン2022年1月20・27日号

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