救急搬送された日のことを回想するカルーセル麻紀

2011年に下肢閉塞性動脈硬化症を患い右脚切断の危機に

 帰国後、総合病院で検査を行い、医師から告げられた結果に大きな衝撃を受けたという。

「まず『随分とがまんしましたね』って。そこから続く言葉が怖いのよ。『あと少し来るのが遅れていたら、右脚は切断しなくてはいけないところでした』って言われたんです」

 すぐに右脚のつけ根から動脈にカテーテルを通し、ステントで冠動脈を広げる手術を受けた。

「手術自体は局部麻酔で行えるくらいの簡単なものだったんだけど医療スタッフが皮膚をギューギューひっぱるもんだから『あんたたち、痛いわよ!』って叫んだわよ。それで、どうなっているのか見てみたら、太ももに入れている自慢のタトゥーが、下腹部に移動してたの、びっくりしたわ。

 でも、手術したらピタっと痛みがなくなって、13cmのハイヒールを履いて普通に歩けるようになったの。もっと早く手術を受ければよかったと思いましたね」

長生きしたいけど、好きに生きたい

 このときの病状と回復するまでの経緯を新聞で連載したところ、大きな反響を呼んだ。

「どうやら全国の病院の循環器内科や血液内科の掲示板などに、私の記事のコピーが貼られたり、病院の機関誌に掲載されたりしたみたい。そのせいか病院や街を歩いているときに、『麻紀さん、実は私も脚がね』って声をかけられるようになったんです。同じ病気で悩んでいる人がたくさんいるんだと思いました。それに、これまでは下肢閉塞性動脈硬化症になったら脚を切断するしかないというのが通説だったから、私の回復ぶりに救われた人が多かったみたい。それで啓蒙活動が必要だと痛感して。だから、今日みたいな取材も受けるんですよ。使命感というと大袈裟だけどね」

 とはいえカルーセルの血管病との闘いはいまも続いている。

「最初に右脚のカテーテル手術をした翌年、左脚も同じようになって手術をしたんです。その後も左右交互に計6回も手術を受けました。

 それと、実はいま、右目が見えないの。ある朝、目を覚ましたらひどい飛蚊症になっていたので慌てて病院へ行ったら、黄斑浮腫だと。目の毛細血管も詰まって瘤ができるのよね。その結果、血液中の成分が沁み出してむくんでいるらしいの。いろいろあるのよ。たばこの影響かなと思うんだけど……」

 たばこはいまも吸い続けている。

「脳梗塞をしたのを機にやめようと思ったんですが、すごいストレスがたまっちゃうの。それでまた吸い始めちゃって。いまは1日に1箱ほど。もちろん元気で長生きしたいとは思うけど、もう1つ、好きに生きたいというのがあって。人様には決しておすすめできません。でも、私は世間の価値観は気にしないで自由に生きていきたいんですよ。それもまた人生って感じでね」

※女性セブン2022年2月3日号

2005年のカルーセル。左脚の太ももには鮮やかなぼたんのタトゥーが

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