家族が「高血糖」は要注意
まずは副作用で「血糖値」が上がるリスクのある薬だ。血糖値の上昇は、糖尿病へとつながっていくことが知られている。
薬の処方時に参照する「添付文書」の副作用欄を見ると、「高血糖」「血糖値上昇」のほか、なかには「糖尿病」と記載された薬剤が存在する。
「これらはどれも製薬メーカーの表現が違うだけで、『血糖値を上げるリスクがある』という同じ意味です」(銀座薬局代表・長澤育弘薬剤師)
一般に空腹時血糖126mg/dl、食後2時間後血糖200mg/dl以上、HbA1cは6.5%以上で「糖尿病」と判定されるが、70歳以上のHbA1cの平均値はおおよそ6%。そもそも高齢者の多くが糖尿病、もしくはその予備群だ。
年齢を重ねるほど血糖コントロールが重要な所以だが、その血糖値を上げてしまう薬の一つが、実は「降圧剤」なのである。
ARBやループ利尿薬など様々なタイプの降圧剤で副作用欄に「血糖値を上げる」旨が記載されていて、「異常が見られた場合は減量または休薬等を検討」するよう注意書きが付された降圧剤もある。
「すべてのタイプの降圧剤で血糖値上昇の作用機序が明確なわけではないが、サイアザイド系利尿薬は大規模追跡調査が行なわれて機序がわかってきた」と言うのは、前出・岡田医師だ。
「サイアザイド系利尿薬が血糖値を上げてしまうのは、カリウムが排泄されることがランゲルハンス島(膵臓に存在する内分泌腺)のβ細胞に影響し、インスリン分泌反応が低下するためだと考えられます」