ジュニアグランプリ(JGP)ファイナル優勝。史上最年少だった。2009年(写真/アフロ)

ジュニアグランプリ(JGP)ファイナル優勝。史上最年少だった。2009年(写真/アフロ)

「4回転アクセルは右足首への負担が大きく、失敗すれば演技中止に追い込まれるかもしれない危険な技。年齢も考慮し、羽生選手にとって今回が最後の五輪になる可能性もある。まさに薄氷を踏む思いで臨む戦いになるでしょう」

 新時代と世界の期待を背負って立つ“王者”らしく、羽生は「4回転半を携えて、3連覇を狙う」と全日本選手権の翌日、NHKのインタビューで語っている。だが、すでにスケーターとして最も大切なことを、羽生は築き上げている。ソチ五輪ペア日本代表で、大会やアイスショーの遠征で羽生と行動していた高橋成美さん(30才)はいう。

「昔からゆづは“感謝”の気持ちをしっかり持っている。私は“ゆづモーメント”と呼んでいるのですが、神社などでも、人一倍ていねいにごあいさつしています。自分の中に信念があるからこそなんでしょうね。

 スケートリンクにも、支えてくれる人たちにもゆづは感謝をストレートに伝えますが、いま、ゆづと一緒に練習している選手たちは『それがトップアスリートのやることだ』と、かっこいいと思って真似しています。感謝なんて口にするのは恥ずかしい、スケートさえできればいいって思っていた選手もいたでしょうが、羽生選手がそうした姿勢を見せることで、スケーターの価値を上げてくれたと思います」

 フィギュアスケートは、広いリンクの上をひとりきりで滑り、競技を行う。3月には、世界選手権も控えている。北京五輪が揺るがしたフィギュアスケート界で、羽生がどんなダンスを繰り広げるのか、この目に焼きつけたい。

※女性セブン2022年2月17・24日号

ジュニア時代の羽生。プルシェンコに憧れて“マッシュルームカット”にしていた。2009年(写真/アフロ)

ジュニア時代の羽生。プルシェンコに憧れて“マッシュルームカット”にしていた。2009年(写真/アフロ)

全日本ジュニア選手権(2009年)2連覇。写真左から中村健人、羽生、宇野昌磨(写真/アフロ)

全日本ジュニア選手権(2009年)2連覇。写真左から中村健人、羽生、宇野昌磨(写真/アフロ)

東日本大震災後、荒川静香(写真右)らとともに募金を呼びかけた。2011年(共同通信社)

東日本大震災後、荒川静香(写真右)らとともに募金を呼びかけた。2011年(共同通信社)

オーサーコーチに師事した翌年、グランプリファイナルで初優勝を果たす。2013年(写真/GettyImages)

オーサーコーチに師事した翌年、グランプリファイナルで初優勝を果たす。2013年(写真/GettyImages)

関連キーワード

関連記事

トピックス

水卜麻美アナ
日テレ・水卜麻美アナ、ごぼう抜きの超スピード出世でも防げないフリー転身 年収2億円超えは確実、俳優夫とのすれ違いを回避できるメリットも
NEWSポストセブン
かつて問題になったジュキヤのYouTube(同氏チャンネルより。現在は削除)
《チャンネル全削除》登録者250万人のYouTuber・ジュキヤ、女児へのわいせつ表現など「性暴力をコンテンツ化」にGoogle日本法人が行なっていた「事前警告」
NEWSポストセブン
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
5月13日、公職選挙法違反の疑いで家宅捜索を受けた黒川邦彦代表(45)と根本良輔幹事長(29)
《つばさの党にガサ入れ》「捕まらないでしょ」黒川敦彦代表らが CIA音頭に続き5股不倫ヤジ…活動家の「逮捕への覚悟」
NEWSポストセブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
田中みな実、寝る前のスマホ断ちで「顔のエラの張り出しがなくなった」 睡眠の質が高まり歯ぎしりが軽減された可能性
田中みな実、寝る前のスマホ断ちで「顔のエラの張り出しがなくなった」 睡眠の質が高まり歯ぎしりが軽減された可能性
女性セブン
AKB48の元メンバー・篠田麻里子(ドラマ公式Xより)
【完全復帰へ一直線】不倫妻役の体当たり演技で話題の篠田麻里子 ベージュニットで登場した渋谷の夜
NEWSポストセブン
”うめつば”の愛称で親しまれた梅田直樹さん(41)と益若つばささん(38)
《益若つばさの元夫・梅田直樹の今》恋人とは「お別れしました」本人が語った新生活と「元妻との関係」
NEWSポストセブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン