直接、会って話をしたい企業、学生の要望に応えるため人数を限定した就職セミナーが開かれた(イメージ、時事通信フォト)

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 2023年卒業予定の就職意向のある大学生を対象とした、リクルートの研究機関「就職みらい研究所」の「2023年卒 インターンシップ・就職活動準備に関する調査」(2021年11月)によると、インターンシップ・1day仕事体験プログラムの希望実施形態は、全体では対面実施希望が53.3ポイント、Web実施希望が29.1ポイントと対面希望の割合が高い。これは、前年と比べるとWeb実施希望が10ポイント程度の増加だ。

 Webのみで参加経験がある学生や、対面・Webどちらも参加経験がある学生のWeb実施希望は前年に比べ約8ポイント増加しており、Web参加経験がある学生はよりWebでの実施を希望する傾向がある。

「オンラインでは話しにくい」という声は多い。慣れた学生は自撮りライトで顔色を明るくしたり、美肌補正機能や化粧フィルターなどを取り入れたりしながら、オンラインコミュニケーションを重ねている。就活生同士のグループワークなども多いインターンシップの満足度は、このようなWebの経験の有無などにも大きく影響していそうだ。

 オンラインが苦手な学生のためにサポート体制を整えたり、質問を受け付けたり、意見交換などをできる場を設けることで、不慣れな学生の満足度も上がるかもしれない。

 就活生からは、「オンラインでも満足度の高い個人及びグループワークが展開されていて、学ぶことも多い」「オンラインでのインターンは時間が有効活用できて良い。一方、対面ではないので職場の雰囲気を感じにくい」「コロナで県をまたぐ移動がしにくく、都内で開催されるインターンシップにはほとんど参加できない」などの声があった。

「熱意を伝えたい」と面接は対面希望

 では、就活に対してはどのように感じているのだろうか。2023年春就職希望の大学生・大学院生会員を対象とした、キャリアパートナーズの「2023年卒ブンナビ学生アンケート調査<2021年12月>」によると、企業の採用でオンライン化が望ましいと思う部分について聞いたところ、「説明会」は昨対比7.7ポイント増の80.7%と圧倒的にオンライン希望が多くなった。

「一次面接」は50.6%、「二次?最終面接前」29.9%、「最終面接」17.2%と、それぞれ昨対比14.3ポイント増、13.0ポイント増、6.9ポイント増となった。全体にオンラインを希望する割合が増加しているものの、面接段階、特に最終面接では対面を希望する割合が高くなることがわかる。最終面接では何が違うのか就活を控えた学生に聞いてみた。

「第一志望の会社には、自分の熱意を対面で伝えたい。会社の雰囲気とか、働いている人たちの様子も見てみたい。オンラインではやはり表情とか身振りとかが見えづらく、うまく伝わらない気がする。絶対に対面を希望する」

 友だちとの連絡はLINEで取り合うのが基本で、スマホやネットがない生活など想像も付かない世代である大学生たちも、熱意を伝えるということについては、リアルを志向するようだ。オンラインは便利だがコミュニケーションという意味ではリアルが圧倒的に上回ることをよく知っているからだろう。

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