数字が下がると、タレントのパワーダウンばかり指摘されるが、実際はスタッフの力量による部分も少なくない。
「フジは1990年代に就職活動生の人気企業ランキングで1位になるなど、憧れのテレビ局だった。ただ、憧れが強すぎて就職してしまうと、憧れの企業で仕事できていることだけで満足してしまいがちだし、そうなると憧れの番組を超える番組を作るのはなかなか難しい。自分では大した番組を作っていないのに、フジの社員というだけで変にプライドを持ってしまう人も中にはいました」
両企業とも頂点を極め、人気があったゆえに陥ったパラドックスかもしれない。30年近く好調だったフジテレビはこの10年ほど結果を残せていない。TBSラジオも同じような運命を辿ってしまうのか。
「大沢悠里さんの後を引き継いで、好調だった午前中の『伊集院光とらじおと』も3月で終わってしまいますし、ここ数年は迷走している印象です。ラジオの番組編成の定石として、夜22時以降の時間帯は若者に聞いてもらい、そのパーソナリティとリスナーの年齢が上がるにつれて、今度は午前のワイド番組、土曜や日曜の午後を任せるという方程式があった。ニッポン放送の三宅裕司、文化放送の吉田照美などがそうでしたし、伊集院もその1人だったと言っていいでしょう。『らじおと』後任のパンサーの向井慧はTBSラジオと今まで特に関わりはない。苦しい台所事情が窺えます。『聴取率調査』ではまだ2位ですが、ネットを見ると数字以上にリスナーの心が離れていっているように感じます」(前出・ラジオ関係者)
ここからどう巻き返しを図るのか。