──「音楽活動はもうやりきった」のような感覚もあるのでしょうか?
飯田:うーん……。正直、あの頃の記憶が曖昧なんですよね。もっともっと上を目指していたはずなんですが、気づかなかっただけで、僕の足はずっと前からもつれていたのかもしれない。常に階段を2段飛ばしくらいで走って上り続けるような日々だったので、パンクしちゃったのかなぁ……。
──それで言うと、現在はまだ自分の手の届く範囲で活動できていますね。
飯田:もっとたくさんオファーを受けて売れたいなとは思いますけど、いまは全部が自分のペースで進んでいくといった安心感はありますね。でも心配するのには気が早いのかもしれませんが、「熱波師として大きな目標を持つにしても、結局また同じ失敗を繰り返すんじゃないか」みたいな不安もなくはないんですよね。大きな流れに乗ってしまったら、あとは転がっていくだけという過程を一度経験しているぶん、どうしても頭をよぎるというか……。
でも全く同じ失敗をしたら、さすがに自分アホすぎますし(笑)、過去の反省があるからこそ違う道を選べたらいいなと思っています。
◆取材・文/原田イチボ(HEW)