首相在任中の安倍氏は、毎年8月の広島と長崎での式典では「非核三原則を堅持する」と言ってきたにもかかわらず、退任して“本音”が出始めたということなのか。ロシアに戦争をやめさせる特使として不適格だとする声があがるのも当然かもしれない。前出・自民党関係者が続ける。
「岸田文雄首相は原爆を落とされた広島の選出で、安倍氏の『核シェアリング』の議論にくみするとは考えられない。しかも林外相は安倍氏と同じ山口県の選出で、先代の頃から地盤が重なる党内のライバルです。この状況で安倍氏の特使派遣を検討するはずがないでしょう」
ならば日本はどう動くことができるのか。国会ではもっと建設的な議論が望まれる。