プーチン大統領の真意とは(写真/AFP=時事)

プーチン大統領の真意とは(写真/AFP=時事)

 さらに、支持者との対話でこうも述べている。

「プーチンの作戦は不動産買収のようなものだ。たった2ドルの制裁金(欧米による経済制裁)を払って広大な土地とそこに住む住民を買い取った。たいしたもんだ」

 後に発言を軌道修正したとはいえ、普通ここまで敵対国の暴挙を持ち上げれば国内で反発を受けそうなものだが、そうではなかった。

「ハチの巣を突ついた」

 トランプ氏のプーチン賛美に共和党指導部は当惑したが、秋に中間選挙を控え、「闇将軍」に面と向かって反論する者はわずかだった。下院共和党執行部は、トランプ発言には触れず、バイデン氏の対応の拙さを批判する声明だけを発表した。

 それなら民主党はもっと噛みついてもよさそうなものだが、そうもいかない。トランプ氏はアメリカ国民の本音を見て発言しているからだ。

 CBSテレビの最新世論調査では、「ウクライナ情勢に関与すべきでない」と答えた共和党支持者は55%で、「ウクライナ政府を支持すべきだ」と答えた41%を上回った。これは民主党支持者でも37%対58%で、世論は真っ二つに割れている。これでは、たとえ戦闘が激化しても、バイデン政権が米軍を投入できないことははっきりしている。

 トランプ支持派で再選を目指すジョシュ・ホーリー下院議員は、さっそく尻馬に乗った。彼はイエール法科大学院法務博士号を持つミズーリ州の元司法長官でもある。

「NATOはウクライナを一員にすることを諦めてロシアの怒りを鎮めるべきだった。安全保障でも経済でも、いまやアメリカの脅威は中国だ。私はNATO拡大政策には懐疑的だ。我々にはそんな余裕などない」

 そして、トランプ大統領の首席戦略官で懐刀だったステファン・バノン氏は、別の角度からトランプ氏を援護射撃した。

「プーチンはいわゆるウォーク(社会的不公平、人種差別などに対する意識の高い米東部的インテリ)ではない。むしろ反ウォークだ。彼は(我々と同じく)同性愛やトランスジェンダーに反対している。

 そんなプーチンを戦争に駆り立てたのはバイデンだ。米議会はバイデンをこそ、プーチンをそそのかした容疑で弾劾すべきだ。NATO加盟国は自分で自分を守る覚悟もないのに、バイデンは欧州に入り込んでハチの巣を突ついたのだ」

関連記事

トピックス

水卜麻美アナ
日テレ・水卜麻美アナ、ごぼう抜きの超スピード出世でも防げないフリー転身 年収2億円超えは確実、俳優夫とのすれ違いを回避できるメリットも
NEWSポストセブン
かつて問題になったジュキヤのYouTube(同氏チャンネルより。現在は削除)
《チャンネル全削除》登録者250万人のYouTuber・ジュキヤ、女児へのわいせつ表現など「性暴力をコンテンツ化」にGoogle日本法人が行なっていた「事前警告」
NEWSポストセブン
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
5月13日、公職選挙法違反の疑いで家宅捜索を受けた黒川邦彦代表(45)と根本良輔幹事長(29)
《つばさの党にガサ入れ》「捕まらないでしょ」黒川敦彦代表らが CIA音頭に続き5股不倫ヤジ…活動家の「逮捕への覚悟」
NEWSポストセブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
田中みな実、寝る前のスマホ断ちで「顔のエラの張り出しがなくなった」 睡眠の質が高まり歯ぎしりが軽減された可能性
田中みな実、寝る前のスマホ断ちで「顔のエラの張り出しがなくなった」 睡眠の質が高まり歯ぎしりが軽減された可能性
女性セブン
AKB48の元メンバー・篠田麻里子(ドラマ公式Xより)
【完全復帰へ一直線】不倫妻役の体当たり演技で話題の篠田麻里子 ベージュニットで登場した渋谷の夜
NEWSポストセブン
”うめつば”の愛称で親しまれた梅田直樹さん(41)と益若つばささん(38)
《益若つばさの元夫・梅田直樹の今》恋人とは「お別れしました」本人が語った新生活と「元妻との関係」
NEWSポストセブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン