ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院のハル・ブランズ教授はこう見ている。
「米右翼が専制国家のリーダーに傾倒したケースは過去にもある。アメリカが第二次大戦に参戦する前には、一部の政治家たちがヒトラーやムッソリーニの強力なリーダーシップに憧れた。いま右翼の一部がプーチン氏に魅力を感じるのは、ポスト・トランプ時代のスイープ・ステーク(宝くじ=国民を引き付ける大きな魅力)だからだろう」
いまなおトランプ氏はアメリカ世論と外交に隠然たる力を維持している。「ロシアは無法者、米欧日が正義の鉄槌を下す」といったステレオタイプの構図ばかり見ていると、激動する国際情勢の核心は捉えられない。
※週刊ポスト2022年3月18・25日号