Cさんによると、ロシア人の中でも生まれ故郷や実家がモスクワから離れれば離れるほど、プーチンを支持する人が多くなるという。
「田舎に行くほど情報は入りにくくなり、刻々と変わる情勢を知る必要もない。毎日が穏やかに過ぎていくので、テレビで流れるプーチンの政治が正しいと疑うことなく信じてしまうんです。そういう人ほど“強いロシア”を望み、それを実現しようとしているプーチンを支持するのでしょう」(Cさん)
中には、母親がロシア人、父親がウクライナ人というウクライナ人女性もいるという。
「母親の親戚はみんなロシア人、父親側はウクライナ人というウクライナ人の子の場合、これまでは仲が良かったのに、戦争を機に親戚の間で対立が起きてしまい、『どちらに味方するのか』と双方から責められ、途方に暮れているようです。こういうケースはけっこう多いと聞いています」(Cさん)
仲が良いとされてきた両国だけに、このような状況になれば家族間、親族間の感情は複雑だろう。
日本政府は3月2日、がウクライナからの避難民を受け入れる方針を示した。Cさんが話す。
「コロナ渦で出入国が制限され、外国人クラブで働く女性たちは、永住ビザを持っている人が多い。彼女たちから、家族を呼び寄せるにはどうしたら良いかと相談され外務省に問い合わせたが、『どうするかはまだ流動的だ』と言われました」
離婚したウクライナ人の妻と子供がキエフに住んでいるという日本人男性、Dさんは、シェルターに隠れる母子の映像を見ながらこう話す。
「キエフから400~500km程離れた場所まで逃げたと言っていましたが、命に関わることなので心配です。日本政府は避難民を受け入れるとしていますが、今のウクライナの状況ではどうしようもできない。なんとか生き延びて、隣国まで逃げて欲しいと願うばかりです」
松野博一官房長官は8日、クラライナ避難民の受け入れが始まり、すでに8人が入国したと明らかにした。だが、どこまで入国手続きが簡素化され容認されるかは検討中だという。