寝るなら椅子かソファー
認知症リスクを避けるためには“眠り方”に気を付ける必要がある。
「一番大事なのは生活リズムにメリハリをつけることです。日中はできるだけ体を動かしたり、前日に午前中の予定を立てることで活動性を上げる。高齢者の場合は『散歩』がオススメです。有酸素運動は良眠にも認知症予防にも繋がります。夕方以降は活動性を下げていき、リラックスして過ごせば、夜間に良質な睡眠を取ることができます。
また高齢になると早朝4~5時頃に目が覚めてしまうという人も多いですが、それだと日中に眠くなってしまう。太陽が昇って外が十分明るくなるまでは、目が覚めても活動を抑え、早朝の太陽光も避けたほうがいい。早く目覚め過ぎないよう、寝床に就くのは夜10時以降にしたほうがいいでしょう」(同前)
西野氏によれば決して『昼寝をするな』というわけではないという。
「過去の日本の研究では、30分未満の昼寝であれば認知症リスクが約6分の1になるという報告もあります。
生体リズムの関係で人は特定の時間帯に眠くなるとされ、午後2時前後という人が多い。どうしても眠気に襲われた時は30分以内の昼寝に留めておきましょう。夕方は避けたほうがいい」
短時間の昼寝について、前出の室井氏はこうアドバイスする。
「夜間の睡眠時と同じベッドに入ってしまうと、長時間寝る感覚を身体が覚えているため、昼寝の時間が長引いてしまうリスクがある。なので眠気が訪れた30分後などに目覚ましをかけた上で、椅子やソファーなど、ベッド以外にもたれかかって目を閉じると良いでしょう。完全な睡眠にならなくても、視覚情報を遮断することで脳が休まる」
正しい知識を身につけ、眠気を賢くコントロールしたい。
※週刊ポスト2022年4月22日号