神真都Qの連帯を呼びかける投稿がネット上で出回り始めたのが昨年の秋頃

神真都Qの連帯を呼びかける投稿がネット上で出回り始めたのが昨年の秋頃

 神真都Qを法律的に支える人物もいる。弁護士の木原功仁哉だ。自身は神真都Qのメンバーではないが、国を相手取って新型コロナのワクチンの特例承認の取り消しなどを訴えており、神真都Qの弁護人も務めている。今回の逮捕についても、こう反論する。

「メンバーの逮捕の実態は報道とは違っており、建物から出て行ってくれと言われないのに、建造物侵入に問われている。ワクチン接種阻止活動は“祖国防衛権”の行使と考えており、さらには神真都Qが反ワクチン運動のスケープゴートにされていると感じている」

 神真都Qはホームページ上で、デモの中止や入会の申し込みを一時停止したことなどを伝えている。幹部を含む逮捕者を出したことで腰が引けて、逃げ出したメンバーも少なくないと言われる。

 神真都Qに以前ほどの勢いはなくなりつつあるとの見方が強いが、コアな支持者が残りコミューンを作る可能性もあると指摘する声もある。

 この点で懸念を示しているのは上越教育大学大学院の准教授であり、宗教社会学者の塚田穂高である。神真都Qは人里離れた場所に土地を買って入植するという「エデン計画」を唱えているが、これには注意が必要だ、と説く。

「神真都Qは宗教的・スピリチュアルな要素の強い運動だと言える。コミューンにもさまざまなものがあるが、そうした宗教性と陰謀論的世界観、『エデン計画』のようなコミューン形態が結びつくと、オウム真理教に代表されるカルト問題の諸先例を想起せずにはおれない。財産の収奪や家族間の断絶などのトラブルや人権侵害につながる可能性もある。接種会場襲撃などで見せた攻撃性が、内側に向いた場合にどうなるか。過去の教訓を踏まえ、継続的な注視が必要だ」

 今後の行方はどうなるのか。

(了。前編から読む

【プロフィール】
横田増生(よこた・ますお)/ジャーナリスト。1965年福岡県生まれ。アイオワ大学ジャーナリズムスクールで修士号。物流業界紙の記者、編集長を務め、1999年フリーに。2020年、『潜入ルポ amazon帝国』(小学館刊)で新潮ドキュメント賞受賞。『「トランプ信者」潜入一年』(小学館刊)を刊行。

撮影/藤倉善郎

※週刊ポスト2022年5月20日号

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