「直近2年間のデータを見ると、非正規雇用の女性がコロナ禍でさらに不利になり、アルバイトやパートの仕事が突然なくなったり、派遣社員の契約が更新されず雇い止めになったりするケースが目立ちます。またこれから先は円安や原油高などにより、食材その他の費用がどんどん上がって支出が増えます。収入、支出の両面で単身者の負担が大きくなり、パートナーと支え合うメリットが増していきます」(坂口さん)
もはや、おひとりさまはリスクだらけで不安になるが、ウーマンライフパートナー代表の中村真佐子さんは、結婚を「セーフティーネット」と捉えるのは間違いだと話す。
「結婚は、セーフティーネットとして安全だからするものではありません。もちろん結婚で家族をつくることはその人の人生にとって最良の経験になりますが、それぞれの人の人生にとって結婚が必須のものとは限りません。
大切なのは、経済的にも精神的にも自立していることでしょう。既婚者でも、自立していないと夫や周囲との関係がうまくいかないことがあるし、独身でもイキイキして人生を謳歌しているかたがいます。自立しているからこそ、結婚していても、シングルでも、豊かな人生を送れるのです」(中村さん)
坂口さんもひとりで暮らすメリットをこう説明する。
「生活コスト逓減の法則はあくまでも同じ金額の使い方をしたときに大人数の世帯が有利になるだけであり、ひとり暮らしには自由に支出先を決められる喜びがあります。結婚で得られるコスパやリスク分散を犠牲にしても、それを凌駕するメリットや幸福度があれば、独身の選択は決して悪いものではありません」
※女性セブン2022年5月26日号